竹田ゆかりのブログ

竹田ゆかりの活動記録
教育問題や時事問題に関する思いなど 

非正規ミドル

2016-02-07 20:21:14 | 日記
非正規ミドル

およそ、30年前。中学校があれていた頃。
私は、中学校の教師をしていた。
毎日、校舎のどこかのガラス窓が割れ、他校とのけんか対応に追われ、
しかし、生徒たちと、よく話もした。

授業は抜け出し、掃除はさぼり、ズボンは校則違反。

ある日、彼らに、「はたらく」という言葉について話したことがある。
「はたらくということは、『はた』を『らく』にするということなんだよ」
「はたらくことで、誰かを支えることになるんだよ」
「はたらくことで『支え合う社会』をつくっているんだよ」

すると、彼らの一人が、
「先生、いいこというね!」といった。

その彼らは、今年42歳。
私の話にうなづいた彼らは、今、『支え合う社会』の一員となれているだろうか…。

非正規職から抜け出せない「非正規ミドル」がふえている。
はたらくということを、「支え合う社会」をつくるための営みととらえるならば、
正規職の仕事がないために、やむを得ず非正規職を続ける人々を生み出してはいけないと思う。

ますます広がっていく格差に見て見ぬふりをし、
「一億総活躍」という言葉でしりをたたき、
労働者を「生かさず殺さず」働かせる社会では、
たとえ富を得ようとも、誰も幸せになれない。
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鎌倉の歴史を知る権利

2016-02-01 00:14:08 | 日記
鎌倉の歴史を知る権利

1月31日(日)鎌倉中央図書館3階多目的室において、
「図書館とともだち・鎌」および、「御成小講堂の保全活用をめざす会」主催による、
“「御成遺産」の保全と活用を考えるシンポジウム”が開催された。
会場は立錐の余地もない程の人で埋まっていた。

小黒浩司氏(作新学院大学 日本図書館文化史研究会)による講演
「旧鎌倉図書館と御成小講堂をどう活用するか?」では、
全国各地に遺る明治・大正・昭和初期に建てられた学校や図書館が、
どのように保存活用されているかポワーポイントで紹介された。
図書館、郷土歴史・民俗資料館、特産物販売所、ギャラリー、喫茶室、
貸しスペース等々、多岐にわたっている。
講師からは、「観光資源としての活用(観光客のビジターセンターにして、
近代史の学習コースのスタート地点にする)もよいのではないか…」との提案がなされていた。

島本千也氏(地理・地域研究 鎌倉の別荘地時代研究会)による講演、
「鎌倉の別荘地文化と“御成遺産”」では、
「鎌倉はこれまで中世文化にばかり目が向けられてきたが、近代に保養地・別荘地として形成された町である。
 鎌倉近代史は豊かであるのに、研究や活動をする場所がない。
 資料保存の場所もない。近代史が冷遇されているのではないか。
 鎌倉に資料施設がないのは異常である。
 市民の知る権利が保障されていないのではないか。鎌倉市の動きが実に乏しい。」
との、厳しいご指摘があった。

私は、長年教師をしてきた経験から、
「鎌倉の子ども達は、全国の子ども達が知る『鎌倉』以上のことを知らない。
 40年以上発掘してきた物が、何万箱とあるのに、子ども達の学びに生かされていない。
 鎌倉ほどの歴史ある町に、博物館がないのはおかしい。」と感じ続けてきた。
市は、子どもたちの知る権利を奪ってきた…と言えるかもしれない。
(鎌倉市は、現在、仮称「歴史文化交流センター」開設に向けて動いている。)

意見交換の中では、市民から
「鎌倉市職員に、市に対する愛情があるのだろうか…と言いたくなる」とのご指摘もあった。

先日、鎌倉市教育大綱が決まった。
その中に「…郷土への愛着と豊かな人間性を育む…」との文言がある。
先ずは、市の職員からなのかな。と、ふと思った。
職員の方々の、今後のさらなる鎌倉を思う気持ちに期待したい。
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