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仏教思想:空海(補足2:曼荼羅とは-その1)

2018-07-02 09:19:58 | 仏教思想
 補足1で、空海さんの経歴をご紹介しましたが、続いて真言密教の中心思想といえる「曼荼羅」について少し詳しくご紹介したいと思います。

 仏教真理を説く方法は、「ことば」によります。しかし、仏教真理は瞑想などの実践から得た経験則から出た観念的なものがその根本としてあり、ことばでは説明しきれないものでもあります。このことは、密教に限らず、顕教でも言われていることです。道元の「只管打坐」もその代表といえます。
 このため、空海は真言密教の中で、ことばではなく象徴的なもの、シンボルをもって、密教の世界を表す方法を示し、それが「曼荼羅」だとしています。
 つまり、まさに曼荼羅は密教真理そのものを、つまりは大日如来そのものを表していると言えます。

 ということで、以下、曼荼羅についてその内容をご紹介していきます。以下は、「仏教の思想9生命の海<空海>」からの抜粋と一部私の要約です。基本、本の文章をそのまま転載しています。そのため、私的利用に限定いただくのがよろしいかと思います。

1.四種曼荼羅(ししゅまんだら)
  曼荼羅による、象徴化、シンボル化の方法は、一般的に知られる曼荼羅図による方法を含めて、4種がある。(下図参照)

 
 

 ここで、四種曼荼羅の内容について、少し補足説明をします。まず、大曼荼羅は一般的な曼荼羅図のことで、「胎蔵曼荼羅図」と「金剛界曼荼羅図」があります。
 次に三摩耶曼荼羅は、印(智拳印、禅定印)や金剛杵(三鈷杵など)の道具で、密教真理をシンボライズ化したものです。
 法曼荼羅は、梵字によりシンボライズ化したもので、例えば、サンスクリット語の阿字(アルファベットの最初の文字 )をもって大日如来を象徴しています。
 最後の羯磨曼荼羅は、表の説明のように京都東寺の立体曼荼羅に代表されます。

 以上、今日は曼荼羅は、曼荼羅図だけではなく、色々な方法で密教真理をシンボライズ化していることをご紹介しました。
 次回は、「胎蔵曼荼羅」についてご紹介の予定です。