hiroべの気まま部屋

日ごろの出来事を気ままに綴っています

仏教思想:空海(補足3:曼荼羅とは-その2)

2018-07-04 07:41:44 | 仏教思想
 「曼荼羅とは」の続きです。その1で、曼荼羅には4種ある(四種曼荼羅)ことを説明しました。今日は両曼荼羅(「胎蔵曼荼羅」「金剛界曼荼羅」)のうち、「胎蔵曼荼羅」についてご紹介します。
 先にもお話したように、以下は、「仏教の思想9生命の海<空海>」からの抜粋と一部私の要約です。基本、本の文章をそのまま転載しています。そのため、私的利用に限定いただくのがよろしいかと思います。

2.金剛界曼荼羅と胎蔵曼荼羅と「理智不二」
 六大(*)のうち物質的世界は絶対の理法を象徴する胎蔵曼荼羅の理法身の大日如来によって、精神的世界は完成された知恵を象徴する金剛界曼荼羅の智法身の大日如来によって表現される。また、金剛界は男性的原理、胎蔵は女性的原理にもたとえられる。
 絶対の理法と完成された知恵とは究極において一者であること、これを「理智不二(りちふに)」とよぶ理知不二の世界が真言密教において説かれる大日如来の大生命の世界にほかならないのである。
 *六大とは:真言密教では、万有一切あらゆるものの存在は「地・水・火・風・空・識」より成立しているとしており、前五大が物質的世界、識が精神的世界を表している。

3.胎蔵曼荼羅
(1)胎蔵曼荼羅とは
 胎蔵曼荼羅は詳しくは「大悲胎蔵法(だいひたいぞうほう)曼荼羅」または「大悲胎蔵生(だいひたいぞうしょう)曼荼羅」という。「胎蔵」とは母胎という内蔵するものの意味で、内につつみこんで保持しているものということである。
 つまり、すべての生きとし生けるものは、絶対者の本体すなわち理法をもともとみずからの内部に所有しているものであり、その知恵のはたらきをまってやがて仏性として開顕されるとするのである。
 この胎蔵の理法は大悲すなわち仏教者の限りなき偉大な愛、慈悲である。知恵がそうした慈悲となって現われるとともに、その慈悲のはたらきによって知恵が完成されるのである。

(2)胎蔵曼荼羅の基本構成
 胎蔵曼荼羅は十三のグループから構成される。これを十三大院というが、現図では、第十三の四大護院を欠き、十二大院となっている。
 

(3)各構成要素とその意義
 


 


 
 
 
 
 

 以上、今日は「胎蔵曼荼羅」のご紹介でした。次回は「金剛界曼荼羅」を予定していて、空海さんの補足説明を締めたいと思っています。