「仏教の思想8 不安と欣求(ごんぐ)<中国浄土>」という本の内容の整理が終わりました。
仏教思想7<中国禅>の整理に5カ月かかったのですが、今回も同じくほぼ5カ月でしたので
同じようなペースで進められたということのようです。
これで、中国の仏教4巻分の整理が一応終わりました。
『法華経』をベースに、本来人には仏性(仏の性質・本性)があり、修行によりそれを顕現すべきとする「天台宗」、
それをさらに推し進めて、『華厳経』をベースに、人は生まれながらにして仏性が顕現しているんだとする「華厳宗」、
以上の学問的・哲学的な宗派に対して、華厳の思想を背景にしながらも、天台の修行法(瞑想法)をもととした実践を
主体とした「中国禅」、そして今回の「中国浄土」というわけです。
その中国浄土ですが、徳川家康の馬印として有名な「厭離穢土・欣求浄土(おんりえど・ごんぐじょうど)」という言葉に
集約されるのでしょうか。
生と死の不安・絶望の現世(穢土)を離れて、阿弥陀仏の西方極楽浄土への往生を願う(欣求)するという思想です。
時代背景として、中国の戦乱や廃仏などの世情の不安から、
末法思想と結びついた思想でもあります。
天台、華厳、中国禅、と比べると、仏教思想そのものが哲学臭が強いものである中では、私には最も宗教色が強い思想とも感じます。
それは、その後、日本に伝播し法然・親鸞の浄土宗などのもととなった思想であり、「口称(くしょう)念仏」、「他力本願」
「悪人正機(あくにんしょうき)説」など一般庶民や罪人などに慈悲を施す思想として、成立していることにあるのかと思います。
仏教の思想は全12巻(インド編、中国編、日本編、各4巻)で、残るは日本編4巻で、本来は日本の仏教思想史の勉強を
目的に読み始めた本であり、いよいよ日本編ということになります。
ただし、インド編でも出来たノートを頭の再整理と今後の学習をし易くするために、PCに入力したのですが、中国編4編も
そうしようかと思っています。
なにぶん、ブラインドタッチなどといいう洒落た技術は無い上に、最近はやたらミスタッチが多くなって、入力の時間は
ノート以上に、おそらく、中国編が終わるには後2年以上かかりそうです。