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仏教思想:中国華厳思想概要(その4)

2021-02-09 08:49:31 | 仏教思想
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 中国華厳思想概要の4回目です。前回までは、序といった内容で、中国華厳思想の成立。発展の系譜、関係する思想・人物をみてきました。(過去記事はカテゴリー「仏教思想」から遡及できます。)
 今回からは、いよいよ本論に近づいていきます。ということで、まずは中国華厳思想の元となった『華厳経』についてみてみたいと思います。


2.『華厳経』の意味と構成・主な教え
2.1.『華厳経』の意味
①『華厳経』の正式名称と意義
 『華厳経』の正式名称は、『大方広仏(だいほうこうぶつ)華厳経』といいます。それは、「広大なるほとけ」という意味であり、ここでのほとけは、時間的にも空間的にも無限であるような人間の分別智をこえた、無分別智でとらえられたほとけでなければならない、としています。

②華厳という言葉の意味
 「華厳」は、サンスクリット語のgandavyûhaで、ganndaは「雑華」、vyûhaは「厳飾(ごんじき)」と訳します。雑華はすべての花、名もない花も含んでおり、雑華としての一輪の花の中には、無限の宇宙の生命が躍動している、というわけです。
 このような雑華をもつ荘厳された世界、それが「華厳」の意味です。

③『華厳経』の教主である「毘盧舎那仏(びるしゃなぶつ)」とは
 サンスクリット語のvairocanaを音写したことばで、「光明遍照(こうみょうへんじょう)」の意味。もともと太陽のことで、仏の光明の広大無辺なことを表わしたもの、報身仏(ほうじんぶつ、仏になるための修行を積み、その報いとしての功徳をそなえた仏身のこと)と考えられています。
→この大毘盧舎那仏を中心として、生きとし生けるものをはじめとして、あらゆるものが、無限の光明に照らされている世界こそ、『華厳経』のめざしている世界にほかならないのです。

2.2.『華厳経』の構成
 『法華経』のサンスクリット原典は失われており、漢訳本としての旧訳本(六十華厳)と新訳本(八十華厳)があります。以下、六十華厳をもとに説明します。
 六十華厳は「八会三十四品」より構成されています。
①「八会」からみた全体構成
 八会の「会」とは、会座のことで、法会・講説などで参会者が集まった場所、またその集まりのことをさします。『法華経』は、説法の進展につれて、会座の場所は上昇し、悟りを求める修行僧の進展にしたがって心が向上する過程が詳説されており、これを八段階に分けています。(下表10参照)
 

②品名(章)からみた全体構成
 章は三四品から構成されています。(下表11参照)
 
 以上三四品の内、もっとも重要なのは性起品(しょうきぼん、ほとけの命の現れを強調(宝王如来性起品))と十地品(じゅうじぼん)・入法界品(にゅうほっかいぼん)(ともに菩薩の修行の段階を説く)の三つの品名です。
 十地品・入法界品は、龍樹以前に成立しており、龍樹以前の大乗仏教運動の高まりが菩薩の修行の過程を説こうとしたと考えられます。
 以下、これら三つの品名の概要と意義につき個々にみていきたいと思います。


 本日はここまでとします。次回は、三つの品名のうち「十地品」についてみていきます。しばらくお待ちください。





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