《行列ができるシリーズ》
建築主と対話を深める一般教養編
講 師 : 田中 修一
日本神話 神々の系譜
我々建築に携わる者にとってのクライアント(建築主)は、総じて高齢者で資産家で文化人で教養が高い。当然プライドも高い。だから対話において先方から歩み寄ってくることはない。我々は業務としての建築の専門分野について述べようとすると、建築主から一般論としての人間性を問われる。
それに応えるには、彼らの拠って立つ基盤の上で対峙しなければ会話は成立しない。社会常識・経済問題・経営概念・時事問題・文化事業・歴史問題・国際情勢などその範囲は多岐にわたる。これを教養という。
我々が業務とする専門性に関する知識は教養とは言わない。
そこで今回はその教養の一端として表題のお話をしようと思う。「我々にとっての建築主は」といったが、彼らは地元の名士として各種の行事に関っている。当然お寺や神社の総代などになっているケースが多い。我々の近所にも社寺はたくさんある。ところが何を祀っているのかあまり関心を持ったことがないのではないか。しかし社会常識という側面から評価するとそれでは困る。歴史の中で育まれてきた日本人の心のルーツともいうべきものがそこにはあるからなのだ。
(本編から抜粋)
伊勢神宮 内宮正殿 妻側正面図
形の原点は竪穴式住居から発展したものと見ればよい。屋根上の千木や鰹木にその痕跡が見て取れる。正面入り口が桁側なのは住居ではなく蔵の発展形だからで、高床式の姿がそれを伝えている。
神々の歴史的事情を調べてみようではないか。なかなか興味深いものがあって、神様も人間と同じで親戚や敵対関係があって、ギリシャ神話を見ているようなところがある。詳しくはなくとも多少知識を蓄えていると「若いのに感心なことだね。そんなことまで知っているとは」と感心されたりする。これが話のきっかけになればよい。胸襟を開いてくれれば、こちらの言いたいことも聞いてくれるはずである。相互信頼はここから始まる。
たとえばこんな話・・・・・
日時 平成25年3月29日(金) 午後2時より午後4時30分
会場 建築会館 8階 会議室 (千葉市中央区中央4-8-5)
申込 下の専用用紙でFAXしてください。 FAX 043-207-0128