私の高校時代の楽しみは 休み時間に図書館で本を読むことでした。
気になる本は読み尽くした頃、どこかで『奇妙な果実』という本のタイトルに興味を持ち、図書館にリクエストを出して『奇妙な果実』を買ってもらいました。
この本は ビリー・ホリディの自伝です。
彼女は 人種差別、貧困、薬物依存、アルコール依存の中で生き、魂の歌を歌って死んでいきました。
なにしろ高校時代に読んだ本なので 詳しい内容は覚えていないのですが かなり悲惨で暗い話だったと思います。
その本の中でとても印象に残っているのが ボロボロになりながらくちなしの花を頭に飾って歌い続けていたが ある日くちなしが頭に刺さって血を流しながら我慢しながらうたった、という話。 なにもそこまで我慢しなくても、と思ったことを覚えています。
本のタイトルの『奇妙な果実』というのは 殺された黒人男性が木に吊るされ その状態がまるで木に奇妙な果実がぶら下がっているようだ、という内容でした。
そんな歌を歌うビリー・ホリディの代表作が『LADY DAY』です。
どんな暗い音楽なんだろう?と心配しながら聴いたのですが やけに明るくそしてちょっと退廃的な歌声に心を打たれました。
稀代の歌姫 ビリー・ホリディの歌声、ぜひ聞いてみてください。