とうとう若ママ猫と四匹の子猫は
家を出て行った。
とはいえ
近くにいる。
懐中電灯を庭に向けると
若ママ猫が
暗闇の中にうずくまっていた。
子猫はどこじゃ?
庭の隅々まで歩いてみたが
どこにもいない。
若ママ猫は
心地よいのか涼風に目を細めて
のんびりムードである。
と。
四匹は、サッシに隣接してる未使用の古い犬小屋の下から
もそもそ這い出てきた。
べつにこの時のために用意をしてたわけじゃないが
たまたま草刈りを終えた後の
更地の庭の『キャットラン』を
四匹は走り回り始めた。
走るというより
転げまわり始めた。
庭の子猫も
体育館で鬼ごっこする小学一年の人間も
走り回るのはすごく楽しい。