はな兄の1分で読めるエッセー

ふと脳裏に浮かんだ雑感を気ままに綴った日記

おてもやんよりマダムヤン

2023-11-01 01:06:09 | 食べ物

今ラジオ深夜便で

岡山の笠岡市の人のレポートを聴いたんだけど

笠岡と聞くと

ちょうど50年前の出来事を思い出した。

7月の終わりか8月になっていたか。

新幹線に乗っていた。

大雨のせいで

その先の所で土砂崩れ。

笠岡駅で

13時間ぐらい足止めを食らっちゃったんだよね。

おまけに歯が痛くなった。

さらに

全身『とびひ』になった。

 

以来、新幹線が嫌いになりかけた。

新幹線と言えば

車内販売が亡くなるんだってね。

車内ワゴン販売といえば

サンドイッチだ。

子どもの頃から

あのサンドイッチに憧れてねえ。

なんてことない。

玉子とハムときゅうりの

薄っぺらな3切れのサンドイッチにすぎない。

だけど

あの新幹線の

車内でワゴンから買って

景色を眺め揺られながら

いただくということに意味があるのです。

ましてや

夏休み

旅行に行くという

『ハレの日』である。

そんなときに世知辛い

日常生活の合理性ばかりを

持ち出さないでほしい。

 

ところが

母親と言うのは

そこらがわからない。

「あんなの私が家で作ってあげるわよ。

アレで300円なんて高いじゃないの。

買ってなんて、冗談も休み休み言いなさい」

と、一刀両断。

とうとう一度もサンドイッチを買う機会がなくて

大人になった。

 

ガッツ石松が

ボクシング修行中

出前のバイトの途中に

いつも素敵なコーヒーの香りが鼻孔をくすぐる喫茶店があった。

「世界チャンピオンになったら

ここのコーヒーを腹いっぱい飲んでやろう」

と誓った。

で。

世界チャンピオンになったら

自宅の近くに喫茶店がいくらでもあったのに

わざわざ電車タクシーを乗り継いで

その時の喫茶店に出向いて

『あのときのコーヒー』を味わい

まるで

井上陽水の『人生が二度あれば』のなかに出てくる

両親のように

これまでの修業時代や人生をしみじみ振り返ったという。

 

旨かったろうねえ。

 

 

旨かったといえば

『マダム楊』(マダムヤン)

今も売ってるのかなと思って

調べてみたんだけど

どうもないみたいです。

なんでなくなったんだろ。

今は

ちょっとぐらい値段が高くても

より美味しいものを求める時代なのにね。

 

 

 



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