パリ滞在、4日日目に事件は起きました。
滞在したアパルトマンは、マドレーヌ寺院と目と鼻の先にあって、ちょっと歩けば、すぐにセーヌ河を渡ってルーブル美術館に辿り着きます。
とても便利な立地条件ですが、当然、物騒な事件とも紙一重です。
この日は、一日自由だったので、ロダン美術館に行ったり街歩きをしていました。
雨の中、パリの街中をたくさん歩いて、帰宅すると・・・
空き巣に入られていたのでした。
警察や鍵屋を呼んで、ことが済んだのは半日後、午後11時くらいにやっと
ちかくの三ツ星ホテルで一息をつきました。
アパルトマンの現地スタッフの取り計らいで、その日うちにホテルに移されました。
結局、何も盗まれてはいませんでしたが、パリでの一人身に起きた突然の事件にかなり動揺しました。
翌日、パリ滞在5日目は、ホテル・リッツの地下厨房で行われる菓子講座に参加しました。
さすがは名門のリッツ・エスコフィエです。
濃紺の分厚い絨毯の廊下を通って地下に案内されると、迷子になるくらい広く、素晴らしいキッチンが広がっていました。
この日は、苺をテーマにしたお菓子を習いました。
大きな銅鍋で苺の甘く煮ます。
こういう大きな教室ではたいてい同じだと思いますが、ほとんどはシェフのデモンストレーションが中心に進められていきます。
けれど、その道を極めたプロの手さばきを間近で観察出来ることは、とても貴重です。
パリではほとんどの製菓材料が日本で自分が日ごろ使うものの半値、それに近かったりしてかなり興奮しました。
とくにふっくらと上質のバニラビーンズを惜しみなく使うのは納得です。
このお値段ですもの・・・
サクっと、そしてしっかり弾力のあるブリオッシュ生地でカスタードクリームを挟んだ「トロペ・ジェンヌ」
フランボワーズのパフェなどなど
4時間あまりで3品作りました。
ルノートルでもそうでしたが、講座が始まる前に、お茶と焼き菓子がテーブルに置かれ
それを頂きながら、スタートします。
日本でも、ちょっと「ハイソな教室」だと、こんな粋なはからいがあります。
ルノートルは生徒3人だったことあり、アットホームな雰囲気でしたが
リッツはシェフの助手を務めるアシスタントもいて、広くプロの厨房での威圧感もありました。
リッツの豪華なしっかりした紙の手提げ袋を抱えてホテルに戻り
夕方、オペラ座近くの空港からのバス停留所まで夫を迎えに行きました。
つづく