靖国通りと並行した、神田神保町から駿河台下までの小道を“すずらん通り”という。
この道の、神保町交差点寄りのところに、老舗の中華料理店がある。
“冷やし中華”発祥の店として知られる「揚子江菜館」だ。
古本をあさっているので、
昨日に続いて神保町の老舗中華料理店食い歩きとなった。
しかし、この店の名物“冷やし中華”は、一度も食べたことがない。
だいたい、暑い夏でも
口をタコのようにしてフウフウ~としながら、額から流れるような汗を出して
熱々のつゆソバをすするのがいい。
アンカケされているつゆソバになると更によく
もっともっと汗が出て新陳代謝を促すので、気分爽快となるところがよい。
この店でのお奨めは、アンカケされた熱々の“もやしそば”。
かなりボリューム感があるが、最後の汁まで飲みきってしまうとよくわかる。

当然のごとく、
もやしソバを注文し、思い直して、ビール&つまみのシュウマイを追加した。
斜め後ろの客と目が合ったが、“ご同輩”といった顔をされた。
よく見ると、もやしソバ&ビールで、
ビールよりも、もやしソバの汁に汗だくで取り組んでいる様子だ。
どうも
同好の士が結構いそうな感じがした。
この店のもやしそばは、
生きのいいシャキッとしたモヤシが、細切り豚肉、甘みがあるタマネギ等とからまり
口の中で、アッチッチーとなりながら胃の中に落ちていく。
この最初の一口の味と、胃袋に落ちていく感覚がたまらなく気持ちよく、
アンカケだから、最初の一撃は強烈だ。
斜め後ろの客の様子をにらみながら
好みというものは、変なものがあるものだと気づかせられるもやしソバだった。