モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

ときめきの植物雑学 その7 :サツマイモの伝播③

2007-12-23 09:45:45 | ときめきの植物雑学ノート
その7 :ペルー沖から102日の漂流で南の島に!

サツマイモは、紀元前3000年頃には、メキシコを中心とした熱帯アメリカで幅広く栽培されており、
紀元前1000年頃に南太平洋諸島にあった。
コロンブスがアメリカ大陸を発見する2492年も前に、南太平洋諸島にあったことになる。

”あった”という言い方には、
1、もともと存在していた。
2、原産地から誰かが持ってきた。(伝播した)
3、原産地に南太平洋諸島の誰かがとりに行った。
という3つの意味があり、
これらを検証してきた知見があるのでこの確認から始めよう。

1の“もともと存在していた”ということであれば、
原産地とほぼ同じ紀元前3000年頃に南太平洋諸島に存在しているはずなので、
最初に否定される。

2の“原産地から誰かが持ってきた”に関しては、
南アメリカ大陸から南太平洋諸島までの大海原を渡れるかどうかを確認・実証する必要があるが、
ノルウェーの海洋生物学者で探検家のトール・ヘイエルダール(Thor Heyerdahl,1914-2002年)が、
1947年に、ペルーのカヤオ港から南太平洋のツアモツ島までの8千kmを
コンティキ号と名づけられたインカ帝国時代の造りを模した筏(いかだ)で
漂流航海実験を行い、102日後に漂流・到着し成功した。
この実験により、
ペルーから南太平洋ポリネシアへの移動が技術的に可能であることが証明された。

しかしながら、南アメリカ大陸の太平洋側には、
フンボルト海流という強い寒流が流れており、風上に向かって航海できない筏では、
このフンボルト海流を乗り越えることが出来ない。
実際、漂流実験をしたコンティキ号は、軍艦に曳航されフンボルト海流を越えてから実験をスタートしており、
南米大陸の住民が、南太平洋までサツマイモを持っていくのは難しそうだ。

そうなると、
南太平洋諸島に居住している人間が、紀元前1000年も以上前に、
大航海をしていたということになり、
南アメリカ大陸の植物を持ち帰り、その中で、サツマイモだけが生き残った。
ということになりそうだ。

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