流れのままに。

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御嶽山は悪者か?

2014-10-04 15:34:52 | Weblog
御嶽山の噴火は死者47名を確認し、更に不明者がいる。
日本には桜島のように活発に活動している山から
死火山と言われる山まで、山だらけの島国だけど
これほどの死者は記憶にない。

勿論人的被害に限定しなければ、甚大な被害をもたらした噴火はある。
浅間山、伊豆大島の三原山、三宅島、雲仙普賢岳などなど。
普賢岳などは土石流という二次災害で死者を出したけど
噴火の直接被害でここまでのものは無かった。

死者の殆どが噴石による損傷死というのも、衝撃だった。
そんなものはパニック映画でしか見たことがない。
携帯で撮影された動画が、作り物ではない恐怖を伝え
迫り来る噴煙と降り注ぐ噴石は本物だった。

あの状況でよく撮影できたと思うけど
これが現代人のレスポンスなのだろうな。
そんな余裕がよくあるなと驚くけれど
あれは余裕と言うより常識的反射神経なんだね。

まあ、それほど深刻に思ってなかったのかも知れないし
別の人は遺言代わりだったのかも知れない。
改めて考えると、携帯というのは大した発明だね。
なかった時代を知るだけに、つくづくと思うな。

まあそれはさておき、今回のことで山の本質を気付かされた。
最近は山ブームとかで気軽に登る人も増えている。
高齢者で新たな楽しみとしてる人は多いし
山ガールなんてのも増えてるらしい。

しかし今回のことで気付かされたはずだ
本来山というのは、危険なものだということに。
究極の自然環境を備えていると言っていい。
昨今のブームは多分にお気軽過ぎるとも言える。

楽しさばかりを強調しブームに導いてきたメディアの罪もある。
確かに殊更に危険を強調しても、興味は引かない。
付け足し程度にちらっと危険もありますなんて書いて
義務を果たしていた気になっていたはずだ。

何事もブームになると不都合な本質は希薄になっていく。
実はそれこそが重要だったりするんだけど。
まあ利害が絡むと往々にしてその傾向は強くなるね。
マイナス要素をわざわざアナウンスする訳もないからな。

ただ結局のところリスク対応というのは自己責任で
誰の責任でもなく、勿論山が悪者でもない。
牙を剥いたという表現もありがちだけど
山にはそんな悪意はない。

ただ溜まったストレスを吐き出しただけだ。
タイミングが悪かったのは確かにある。
それは不運だったと言うしかない。
これで悲劇の山というイメージが付くのは、可哀想だね。

富士山もマナーとかゴミ問題とかいろいろ出てきてるし
登山ブームもここらで考えるところに来てるのかもね。
今回のことで危険を認知するきっかけにはなったな。
まだ捜索は続いてるけど、被害者のご冥福を祈ります。