問題は・・・・

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先日北海道ローカルで［ＮＩＣＵ］の特集をやっていた。

『新生児特定集中治療室』ってやつね。

早産とか未熟児とか、重い疾患を抱えて生まれて来た子供を治療する施設。

時折ワイドショーなんかでも特集するから、見たことある人もいるでしょ。


何が問題かっていうと、圧倒的にベッド数が足りない。

［ＮＩＣＵ］を設けてる病院が、そもそも少ないんだけどね。

加えて１人当たりの療養期間が長いから、余計にベッドが空かない。

だから急患で運ばれてきても受け入れが出来ないという悪循環。


もっと言うと、［ＮＩＣＵ］で治療を終了した児童を受け入れる民間療養施設も、圧倒的に不足してる。

スタッフも含めて、何もかもが足りない状態。

寝たきりになるほどの障害児で無ければ、自宅療養になるんだけど

民間には日中預かってくれる施設がある。


まあ保育所の障害児版とでもいうか。

ここは自治体から補助金が支給されて、一日数百円の負担で預かってくれるんだけど

重度障害児って、医療行為が必要な場合も多い。

まあ障害持ってるんだから当たり前なんだけど。


中でも多いのが痰の吸引。

口から栄養が取れなかったりすると、喉に管を入れてそこから流し込むんだけど

喉に痰が溜まる場合がほとんど。

それを吸引してやらないと、呼吸が出来なくなって死に至る場合もある。


これって医療行為だから、少なくとも看護師の資格が必要で

そういう施設のスタッフには看護師資格を持った人が必ずいる。

問題はね、そういう施設で医療行為を行っていいのかどうかのガイドラインが、もの凄く曖昧なんだよね。

行政の指導要綱には、やっていいとも悪いとも書かれていない。


まあ「やるな」とは書かれてないんだから、やってますって状態。

どうしたって必要な処置だからね。

当然行政側に取材をしていたんだけど、担当者の回答に呆れてしまった。

曰く「現在の制度では、実体を調査するようにはなっていない」だって。


つまり障害者手帳に障害の程度を表す等級は記載されてるけど、その内容までは記載されていない。

そこがもう問題だと思うんだけどね。

だから手帳からでは障害の内容が把握できず、よってどんな処置が必要なのかも分からない。

そこで取材担当者が突っ込んだところ、先の回答になったと言う訳ね。


ね？呆れちゃうでしょ？

その実態調査をして制度の整備をしていくのが行政の仕事なのに

現行制度の上に胡座をかいて、何もしようとはしていないんだよね。

制度上の問題点さえ分かっていない。いや、知ろうとしない。


その比較対象として、福祉先進都市である横浜市の取り組みを紹介してたけど

これがね、やるべきことはちゃんとやってるのよ。

行政が障害児を持つ家庭にアンケートを採って、何が問題なのか？

何が必要なのか？を把握して、制度の整備を行っているんだよね。


これが本来の行政のあるべき姿だよね。

あの頭の悪い担当者は、ちゃんとこの番組を観たのかな？

だとすれば、顔から火の出る想いだったはず。

いや、当然のように答えていた姿からすると、解っていないかもね。


もちろん横浜市だって、まだまだ不十分な対応だろうけど

何とかしようって姿勢は、十分に伝わってきたもの。

僕が住んでいた頃も、早くから福祉関係には力を入れていたからな。

それが言葉だけじゃないと改めて認識した。


そもそも福祉と医療って一体のはずなのに、別物として機能してるからね。

同じ厚労省管轄なのに、完全な縦割りになっていて、横の連携がされていない。

だから制度を改革しようとしても、手続きだけで凄く時間が掛かってしまう。

日本の省庁の一番の問題点は、そこだよね。


横浜市みたいに地方自治体レベルでできることもあるけれど

やっぱり大元の制度改革をしないと、十分な体制は整わないものね。

［ＮＩＣＵ］にしたってさ、国がもっと補助金出してベッド数増やすべきだよね。

だから国民は子供手当なんて止めろって言ってるのにな。


まあとにかく、今回は北海道の実情を放送した訳だけど

全国的にも実体はそう大差ないはず。

政治も行政も、もっとしっかりしてほしいよね。













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