電車道

多趣味なので、いろいろなことをしています。気ままに語ります。

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電車道とは…
廃線あとの道路・・・想い出を辿りながら新しくしていく喩え。
相撲で立会い一気に押し出すこと…目標に一直線に進む喩え。・・・でんしゃみち。
マナーと良心を持って鉄道を楽しむことをいう造語。・・・でんしゃどう。

いろいろ悩んで日本の将来のために教育業界に就職しました♪♪ 小学生を相手に塾で理科の先生をしています。

ナナシサンのHNはヤママユガ科の和名から。

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旅行記

2008-07-14 00:16:36 | 筑駒生物部,生物五輪,東大生研,みかみ部.
実験の準備として、まずは多摩動物公園の昆蟲館から頂くのが手っ取り早いと思い、問い合わせるもむなしく断られ、使用するナガサキアゲハは採集してくることになった。
んで、場所として選んだのは葉山である。
バス停から海岸とは反対の方向に行けば、蝶の豊富な場所があるのだ。
個人の実験で使うためのナガサキアゲハの採集に6kmの道のりを歩行した。
 
背には空っぽのリュックを背負い、腰にはウエストポーチと1リットルのペットボトルやら携帯式昆虫網を巻き、買ったばかりの重たい登山靴を履いて家を出た。
男は格好から入るというのはこのことを言うのだろうね。
経験上日差しの強い日にはナガサキアゲハのように日向を好む黒い蝶は極めて現れにくいものであるから、体力の消耗が予想できたと同時に実験の計画が失敗するのも既に予想できていた。
しかし来てしまったものは仕方ないから採集を行うことにした。
 
バス停を降りて数分歩き、左折して山側に向かう道を探した。
次のバス停に辿り着いてしまったところで、ようやく華麗にスルーしたことに気が付いた。
萎えながら引き返して道を発見したが、既に1リットルのペットボトルの残量は半分になってしまっていた。
山側へ向かう道は車の道路と並行した日向の舗装道路で、1頭の蝶も姿を見せず、ただ照り付ける太陽とペットボトルの残量との格闘であった。
ペットボトルの残量が0になったのは、全体の3割程度進んだ場所であった。
生物部で行く海辺のにぎやかさとは対照的に人は1人としておらず、熱中症で死ぬことを覚悟しつつ、周りが山の風景になっていくことに少し恐怖を感じた。
 
遂に舗装道路を外れて山道へと入った。
道は今までの日差しと暑さが嘘のように薄暗く肌寒かったので、熱中症で死ぬような心配はなくなった。
しかし、錆付いた自動車、空き家や墓があり、その周りを灰色のジャノメチョウがふわふわと飛び回り、芋虫が上から垂れ、大きな蜘蛛が巣を張っている様子に、私はなんとも言えない不気味さと不安を抱いたが、こういう風景は田舎らしくて好きだ。
私の目前を黒い影が横切った。
私は素早く網を振りかざすと、黒い影がネットインした。大きく立派なルリタテハだった。
ケルネル田圃で見るような個体よりはるかに大きかった。気が付けば日陰の道は緑溢れる田舎町の風景に変わっており、私は心地よく歩きながら民家にあった蜜柑木を見つけると物色し、ナガサキアゲハの卵を3個ほど採集した。
 
しばらく歩き、完全に周りが町の風景に変わった頃、灼熱の舗装道路を歩く私は干乾びかけていたが、そこに見晴坂という階段が立ちはだかった。
見上げると日差しが顔を焼き付けてきたが、私はここで「横綱の品格」を見せ付けるべく、意識朦朧のなか階段を1段飛ばしで駆け上がった。
右足が攣った。そして左足も攣った、しかし私は這う様に上りきった。
 
階段を上りきり、葉山一色台団地を端から端までひたすら歩いた。
自動販売機を探したが、1箇所として見つからず、団地の端にたどり着いてしまった。
そこには、立ち入り禁止のステッカーがあり、人気ない獣道が続いていた。
それでも、極限状態の私は炎天下の中で歩くよりマシだと考え、水に入るような気持ちで獣道に入った。数百のスズメバチと挨拶を交わしつつ、ジャコウアゲハやモンキアゲハなど、様々なチョウ達に出合った。
1頭のモンキアゲハに狙いを定め、ジャンプで捕らえようとすると、足が攣ったので蝶の採集は諦めることにした。
それでも、私は豊富な蝶達が舞っていてよい気分であった。
途中、木が円筒形に途切れた箇所に10頭以上の蝶が飛びまわっており、道が2手に分かれていた。
しばらく見上げて蝶を眺めていたため、自分の来た道も含めた3手のどれが正しい道だか分からなくなってしまった。
最もバス停に早く着きそうな急な下り道を行くと、舗装道路に到達した。
どうやら正しかったようだ。
あとはバス停を探して歩くのみだ。違う。自動販売機が優先である。
 
しばらく歩くと夢の自動販売機が見えた。
私はネオジム磁石のように吸い寄せられると、冷涼グレープフルーツとミルクティーを買って飲んだ。
今考えると酸と乳製品という嫌な組み合わせだが気にしないことだ。
30Mほど進むとまた自動販売機があった。
私はまた自動販売機に吸い寄せられ、今度はアイスココアを買って飲んだ。
少し歩くとやっとバス停に到着した。

丁度良いタイミングでバスが到着し、乗り込んだ。涼しい、実に涼しい、やけに涼しい。
いや、むしろ寒い。この寒さで私は初めて重大なことに気がついた。
股間がじっとりと濡れてズボンが濃色に変色していた。
ウエストポーチによって腹に汗をかき、合宿用に買ったばかりのシャツがそれを吸うはずもなく、ストレートに垂れた汗は遠慮なくパンツとズボンを侵食したのだ。
確かに、すれ違った人々は冷たい視線を送っていた気がする。
そう思うと、非常に見っとも無い気持ちになった。
バスが新逗子駅に着く頃には、既に「おもらし跡」はなくなっていたが、心身共に疲れきったので神武寺でのナガサキアゲハ採集する予定をやめ、そのまま帰宅した。


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