引き続き、ガングリフォン・アライドストライクから。ロシアのAWGS R-MACS アリヨールです。
アリヨールは、ロシアが過去の戦訓を元に開発した輸出機体で、HIGH-MACSの
半分の価格と同等の武装、はるかに高速の飛行性能を持っています。
● R-MACS 前
非常に細い印象を与える前からの絵ですが、これでもいくらか太めに修正してあります。
このメカに限らず、アライドストライクで私がデザインしたAWGS陣は、正面からの眺め
に適していません。理由としては、航空機の特徴を大幅に取り入れたため、側面や上面
で特徴が出やすくなっており、斜め前方がベストアングルになっているからです。
これは、とりもなおさず立体にして見栄えがよい物を狙ったためであり、見せる演出にも
注意が必要だと言えます。
● R-MACS ラフ
これは今描いたラフです。このように見せれば特長的な外観をアピールできます。
しかし、当時の製作スタッフはガンダムなどに慣れ親しんだ方達で、ロボットは
正面立ちポーズが基本であると言う固定観念を持っていたふしがあります。
ゲーム内の機体のセレクト場面では、残念ながらその辺が裏目に出てしまい、
大失敗となりました。
● R-MACS 飛行形態
旧ソ連では、海面効果船と呼ばれる特殊な飛行機の研究を行っていました。
その特徴は、地面すれすれから数10mまでの飛行高度で、地面と主翼の
間にはさんだ空気層をクッションのように使う飛行方法にあります。
ロシアのAWGSと言う事で、それを特徴的に使う事を考えデザインを進めました。
脚部分は単なる降着装置であり、走るのは苦手です。実際の戦闘ともなれば、
高速で飛行して一撃離脱を繰り返す事になるはずでしたが、ゲーム上のそれは
高速で肉薄して着地・横移動で攻撃を繰り返すものであり、華麗に飛行する
私のイメージとは、いささか異なるものだったのは残念なところであります。
● R-MACS 改稿
コクピットが狭いのではないかと指摘を受け、改稿を描きました。
造形スタッフの方々は、捉えにくい胴体の形状を良く再現して下さいました。
私はゲームのデバックに参加し、一ヶ月あまりをゲームの操作に費やしました。
操作の仕方によっては、非常に高等な戦闘場面を演出できるゲームでしたが、
少々やった程度では真価を引き出す事は難しく、プレイヤーを選ぶと感じました。