去年はコロナで大変な年でしたが、今年は今年で更に輪をかけて大変な年となりました。
コロナが収まらないばかりかウクライナで起きた戦争の余波で円安が日本を襲い、経済的
な危機にも見舞われたのです。幸いと言うか、一昨年のコロナによってネットへの転換が
始まっており、その延長線上の変化によってしのぐことができたようのです。ただ、実際
にしのげたかどうかと言う評価はまだ未確定です。借金である国債ばかりが増えて未来に
禍根を残しています。その上、軍事的な不安から防衛費が肥大して国庫を圧迫し始めまし
た。これは将来的な不安要素でもあります。軍事費と言うのは自国だけで完結するもので
はなく、隣国の情勢が絡んでくるのです。
ネット内での活動の活発化と言うのは物質的な充足感を補完し、物流を最適化します。
それが徐々に進んでいってその影響が同人界隈にも浸透してきました。その関係でネット
を充分に使いこなせるかどうかが今の時代を生きる上で必須のスキルとなってきました。
ともかく時間とお金の無駄を省いて最短で充足を得るためのツールとなったのです。
私の様なアナログ人間には中々苦しい時代ではありますが、なんとかついて行っていま
す。しかし、今年の後半に起きたAIの創作にはまだ手を出していません。AIの助力が必要
なのは、それ以前にスキルを持っていなかった人とか、労力や時間の省力化が必要なプロ
の方達です。私はどちらでもなく、自分でやれば出来るしAIに頼る必要もないのです。で
すが、今後どのような形でAIが進化するかはクリエーター側からの働きかけに影響される
とも考えられます。こっちからより良い使い方を提示すればその方向へ伸びて行くと言う
もので、それは経済的に成功するようなモデルであればなお加速するのです。
そうすると同人誌のような一種の出版ごっこであっても、そこからポッと何かが出て来
るかも知れないのです。すそ野の広さの重要な点はここにあるのでしょう。そこで今回の
コミケの中でAIがどのような役割を果たしたのかリサーチする価値は十分ある気がします。
実際の所コミケの中でどの程度AI絵やAI文が使われたのかは正確には分からないでしょう。
しかしそれらの指標として、あるレベル以上の作家が急増する事が考えられます。下手で
もなく超一流でもなく、中流作家人口の急増とはどのような影響をもたらすのでしょうか。
それはやはり、そこそこ売れ線のAI創作物をどのように流通させるのかと言う方向へ、
何らかの動きが見られるのではないかと思えます。同人ショップ側にしても、急増するク
リエーターに対して消費する側はそれほど増える訳ではないのですから、なんらかの方法
で割り振りしないと全体のアンバランス化が進行してしまうでしょう。下手をすると、マ
イノリティー的な個性的作家が流されて売れなくなってしまい、長期的には損失になりか
ねないのです。
創作に限らず来年からはAIをどのように使い共存するかと言う実質的なAI元年となるで
しょう。それは自分の影とどう付き合うかと言う事と同義ではないかと思えます。