去る8月21日、海上自衛隊の空母型護衛艦「いせ」が進水しました。
「いせ」は「ひゅうが」型二番艦としてヘリ三機を同時に離発着できる航空甲板
を全通式甲板として装備しています。そして名称を、旧日本海軍の航空戦艦
「日向」「伊勢」から取っているものと思われます。
そこでそれにちなんで以前描いた航空戦艦の改案を紹介します。
●航空戦艦 改案
- 以前のデザインの航空戦艦では、主砲郡の発砲爆風が艦載機に及ぼす影響について
不徹底でした。今回の案は主にその解決について、後甲板を一段下げることによって
爆風の影響を軽くする方策を考えてみました。
カタパルトは四本あり、主に上の甲板から艦爆(艦攻兼任)を、下から戦闘機を発進させます。
二階式エレベーターは下の格納庫から戦闘機を上げるのと同時に一段目の格納庫から
艦爆を上へ上げます。そのスピードは一回につき十数秒と意外と早く、30秒以内で一機の発艦
が可能となるでしょう。
● 航空戦艦 内部
- 戦艦の内部には主要な部分を収めたバイタルパートとよばれる区域があります。
そこは厚い装甲板によって閉鎖された区画で、敵のあらゆる攻撃から内部を守る
ように設計されています。これを集中防御と言い、大戦期の日本艦艇ではその傾向
が顕著になっています。
一方、航空機の発達や遠距離砲撃が主流になったことにより、上からの攻撃が
重要視されるようになると、水平方向の防御が考慮されるようになって行きます。
これは、今までの舷側(艦の側面)の装甲を重視した数百年の思想からの転換と言えます。
今回の航空戦艦では前部に集中した砲塔郡とバイタルパートとのバランスを取る形で
航空甲板にも装甲が施されています。その範囲は飛行甲板の中央部分に:限られて
いますが、500kg爆弾の急降下爆撃に耐えるようになっています。
主砲は40cm級のもの(長門と同等)8門を予定しています。当時的に最強の主砲であり、
それを超えるような脅威に対しては艦載機による雷爆撃を使用します。
色々と調べてみますと、各国が航空戦艦を研究した時代、軍縮条約によって建艦
が制限を受けていたことが分かります。空母に搭載する艦載砲についても、これを
抜け道とする事を嫌い20cm以下の縛りがありました。これが、航空戦艦が現実には
実現されていない大きな理由のようです。