某所で上映していると聞いて見に行きました。行きがけに書泉ブックタワーさんに戦車
サスペンションの本Ⅲを届け、その足で映画館へ行ったのですが規模が大きなことにまず
驚きました。ここ何年かは映画と言えばDVDかネットでしか見たことがなく、映画館の
事情も変わっていると言う知識はありましたが、やはり実際に来てみると違います。
前回映画館へ行ったのは3年位前に宇宙戦艦ヤマトを見に行った時だったと思います。
また、2001年宇宙の旅を前回劇場で見たのは池袋の文芸坐で、20年以上前の話でした。
今回は新しくなった画像と音声がどのくらいの物か体感してみようかと来てみたのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/5c/aa/d6a53e630db88942a76c8b6be4b8f67c_s.jpg)
映画の内容に関しては、様々な場所で既に知られている1968年の古典的SFであるので
省略しますが、この映画には食事のシーンや誕生日が何度も出てきます。エンターテイン
メントに付き物の恋愛は皆無でアクションも抑え気味になっており、そのせいか何かと物
食う場面が目立ちます。
冒頭の猿人が食べ物に窮しているところから、道具を覚えて肉食を始めるシーンに始ま
り、宇宙での食事が三回ほど紹介され、ラスト近くでも晩餐を前に演技する印象的な場面
で終わります。生物ですから食べると言う行為は象徴的なのかもしれませんが、当時の最
新の科学的考証で考えられた宇宙食は、その後も何かと他作品に引用されています。
月へ向かうエアリーズ号の中で流動食のパックからストローで飲むシーンでは、無重力
の中ではこんな風になるんだなと当時も関心を呼んだようです。後年、本当に宇宙船内で
食事が行われた時にも金属チューブから流動食を食べることになり、考証が宇宙開発の当
事者のものであったと思われました。
そこで僕は劇場にスターバックスのコーヒーを持って行って一緒にストローで飲むとい
う小イベントをやったのです。その後、ムーンバスの中でサンドイッチを食べるシーンに
合わせてハムサンドを食べると言う事もやってみました。スクリーンの中側とこっちで、
むしゃむしゃ・・と面白かったです。(ただし劇場によってはグレーな行為だそうです。)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/7f/8e/3da6660141c6166fe770d49b4735ef3f_s.jpg)
エアリーズ号の船長は、その後謎の円盤UFOのストレイカー司令を演じるエド・ビシ
ョップなので注意して見てみましたが、それとわかるシーンは一瞬だけでした。彼は普通
の時は目が閉じ気味になっていて、ストレイカーの時は意識的に見開いた演技をしていた
ようです。その後彼は役に恵まれなかったそうで、出演作品もほとんど知られていません。
ディスカバリー号のボーマン船長を演じるキア・デュリアは、この後いくつかの映画に
出演していてそれを見ることができました。私的に一番印象深いのは、真夜中にベルが鳴
るという恐怖映画で、私が子供の頃初めて映画館で見たトラウマ映画でした。そのころは
もちろんただの白人男性くらいしか記憶になく、ボーマンその人とは今世紀になるまで気
がつきませんでした。最近になってB級SFコメディーにゲスト出演したのを見る機会が
ありましたが、2001年宇宙の旅で特殊メイクで老人になったような彼がテレビ画面に出て
来て、少しボケが入った演技を見せていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/4b/0e/365883eccc8c4293d72318643b21f691_s.jpg)
この映画は僕が子供の頃TVで放送されたことがあり、それを「録音」して何度も聞き
返すと言う事をやっていました。もちろん日本語なんですが、BGMや効果音がほとんど
をしめるこの映画は、何が起こったのか視覚的な部分を記憶しておかないと意味が分かり
ません。最初の内は自分のイマジネーションで補わないといけなかったのですが、時がた
つにつれ書籍や映像が世間に出だして、今ではDVDやBDで何度でも見れるようになっ
たわけです。
それで上映時間162分は自分的には充実したものでした。世間的にはコマンドーみたいな
B級アクション映画を皆で何度も見るイベントもありますが、僕の世代的には2001年宇宙
の旅は何度でも見られる映画なんですね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/46/d1/e0036136f1ad1ee7272fb48668938541_s.jpg)
今回の上映はIMAXという特別の映像と音響によるもので、入場料も普通の2倍で少し
躊躇しました。見た感想では低音の響きは確かにすごく、腹に響くと言った感じで、画面の
シネスコサイズの迫力も十分堪能できました。画面の隅の方の小さな発見もいくつかできた
のですが、DVDでなんでわからなかった事が劇場で発見できたんだろう?と思いました。
先日、この映画の元になったイカリエXB‐1という映画があると言う話を聞きました。
この映画は共産圏で作られたモノクロ時代の特撮映画ですが、独特の緊張感とハードなSF
考証は本作品に影響を与えたのは間違いないと言われています。ネット上でも断片的な映像
を見ることができますが、いつかは本編を通して見てみたいものです。