● 艦攻/艦爆
戦闘機の方があまり面白くないので、こちらはちょっと変わった形にしてみました。
エンテ型と呼ばれる先尾翼機です。垂直尾翼はブームを設けてその上下につけ、
主脚もブーム内に収容します。
ブーム内にはエンジンジェットを装備して、離艦や緊急増速時に使用します。
エンジンジェットとは、エンジンで圧縮ファンを回し、バーナーを焚いて推進力
を得るジェットエンジンです。戦争末期に日本では研究が行われており、
ロケット機「桜花」のエンジンとして試作機に搭載されました。
● ツ 11型エンジンジェット
空冷直列4気筒「初風」105馬力を使用。
地上推力 200kg
航続距離 70浬 (燃料290㍑)
全長2m弱
● エンジンジェットの装備アイディア
最初は一基装備を考えましたが、尾輪の応力が噴射筒を潰すことを防ぐため
支柱を筒の中に立てる必要がありました。
また、推力が少ないのでいっそ二基にしてその間に尾輪とフックを付けることを
思いつきました。これは通常型の艦載機に装備する方法ですが、簡単で軽い
エンジンジェットだからできることでしょう。
● 魚雷の搭載方法
艦攻として使用する場合、魚雷をご覧のように吊るします。
先尾翼機の特徴として、機の後端にプロペラが回転しているので、その圏外
へ投下する必要があります。幸い、急降下爆撃機にそのためのアイディア
がありましたのでギミックを流用しました。
図のように約90度回転する支持柱が二組ついています。魚雷が切り離される
とアームの回転にしたがって魚雷は機体から離されて落下して行くのです。
艦爆として使用する場合は爆弾槽内に爆弾を装備し、急降下爆撃を行います。
その場合もアームを使って爆弾がプロペラの回転圏外へ出るように誘導します。
両方のアームは兼用できた方が良いですね。
● 艦攻/艦爆 三面図
複雑な形状で日本機離れしているように見えますが、実は日本では
様々な形態の飛行機が試作されています、それらの中から良く似た
ディテールを拾ってきてそれっぽく詰めて行きます。
主翼は正面図にあるように折りたたみにすべきですね。
● 艦攻/艦爆 ディテールアップ
2000馬力級エンジンを主翼のすぐ後ろに装備し、二本のブーム内に各一基
のエンジンジェットを装備しています。
主翼内20mm機関砲×2 胴体内7.7mm機銃×2 後方旋回機銃7.7mm×1
800kg爆弾または500kg爆弾×1 もしくは250kg爆弾×2 もしくは航空魚雷×1
重心点は胴体のほぼ中央、主翼の前端・日の丸の後ろあたりです。
日本の艦攻は空気抵抗を低くするため細長い感じの機体が多く、その特徴
を取り入れて細い造形を心がけました。
このような機体ですから、カタパルトからの射出は難しいです。噴進増速機
を装備してエンジンジェットを作動させれば短距離で離艦できるでしょう。
カタパルト台車を前輪を引っ掛ける形にすればプロペラに干渉せずに発艦
できるかも知れませんが、世界観的に無理があるように思えます。
● 噴進増速器
おまけです。現実にあった離艦用ロケットの装備方法(推定)です。
文献によると、機首両側に発艦用ニ基装備、主翼の後ろに退避用二~三基
となっています。機体は「彗星」の空冷エンジン装備型の43型です。
このような装備はほとんど知られていませんが、図の4式噴進器はロケット機
「桜花」のエンジンとして使用されたことで非常に有名です。