本日はCOMITIA140が開催され、私は2年ぶりにサークル参加しました。
規制が解除されたGWの上に天気も上々で、多くの来客が期待されました。コミティアで
は今回、開場時間を短縮するなどの対策と人の間隔を開ける等のおなじみの会場設立をし
ていて、売り上げは期待できませんでしたが、このイベントは作家同志の交流の場として
の意味があり、以前から時間外での配布等に力点を置いていました。
コロナ禍は依然として継続中ですが、人々の間には慣れや医療的な対策からくる余裕が
見られ、今後のイベント展開は明るい物があります。しかし、この2年のうちに売り上げ
と言う面からはネット販売の方に重点が移っていて、昨年末のコミケに関してはその後の
ネット販売が2倍の売り上げを見せ、(例年ですとほぼ同数)逆転が見られます。
ただし、書店の事情は厳しいらしく、イベントやネット販売等とは少し事情が異なる様
です。いつもお世話になっている書泉さんから「今後の本の仕入れはメロンブックス様を
通して行うので、直接取引はこれで終了します。」と言う旨の通達を受けました。理由と
しては省力化と手続きの簡素化を図るということでしたが、その辺りの内部事情は察する
に余りあります。書泉さんではそうした事情からか欠品の補充に消極的で、私の担当者が
変わってからはほとんど補充が進んでいませんでした。
確かに、補充する時は納品書を書き、売り上げ金に関しては請求書を書いて送ると言う
旧態依然とした取引はネット販売から見ると大変な労苦を伴いました。数年をかけてその
手続きは簡素化されて行きましたが、コロナ禍で一挙に進める必要があったという事かも
しれません。懸念されるのは、店側の要望次第でこちらからの取引は切られてしまう恐れ
があるという事でしょう。実際今年の前半の消極的な対応は、あちらのマンパワーの不足
を想像させました。今後の書店での取り扱いについては不透明になってしまいますが、こ
れも致し方ないことで申し訳なく思っています。
会場でカタログを購入してチェックしてみましたが、ミリタリー関係のサークルがほと
んどなく、コミティアに関する限りそういうブームは去った様に思えます。開場前に昔の
知り合いの方や小林源文先生に挨拶に行きました。久しぶりに会ったお二人は少し変わっ
ていましたが、感性の方に衰えはないようで安心しました。
源文先生はサスペンションの本の最初の本を作った時に飛び込みで本を渡しに行った時
以来でしたから、もう5年以上前になります。あれからいろんな事があったらしく、本を
渡そうとすると、普通は断っていると言っておりました。それから様々な人から誘いがあ
ったことや戦車砲の照準器の関係で試射に呼ばれた事、行かなかった事等話して下さりま
した。私にはそういう人間関係は皆無ですし、人から入ってくる情報が有ると無いとでは
資料としての価値に大いに違いが出ると思えたのです。
気軽に本を渡しに行ったつもりでしたが、先生の評価次第で今後の僕の作家生命が決ま
ってしまうかもしれない、と考え込んでしまいました。小林さんの本はどのページを見て
も実用性がありますが、私の本は独自の推測とか分析があってその正誤はともかく検証に
時間がかかります。つまり実用的な資料と言う意味では評価できない「読み物」なのです。
会場の様子自体は、確かに間隔は開いていましたが、人はそれなりにたくさんいて創作
の世界に何の変りもない事が実感できます。日ごろからつまらない人間関係とか、ネット
のセンセーショナリズムとかばかりに触れていると、こういう落ち着いた創作の世界の事
を忘れてしまいがちになります。しかし、やはり自分がいるべき場所はここなのでしょう。
本の売り上げ自体はコミティアとしてはまあまあで、予想した範囲内に収まりました。
予想の3割程多目に持って行って大体その冊数が余りました。帰りに書泉さんへ寄って本の
在庫を見てみましたが完売していました。しかし、メールでの追加の話は来ず、メロンブ
ックスさんと話し合う必要が出てきました。折角本が売れる季節になったのに、肝心の書
店に置いてなければ販売の機会が失われます。
今回のイベントでは何人かのお客人と話をする機会があり、Twitterを探したが見つから
ないというご指摘を受けました。やはり多くの人はSNSでの予告にアンテナを張ってはいて
もブログまでは来ないという現実も分かってしまいました。
今回の事を参考に今後の展開を考える必要があります。ただし、私個人の親族との関係
も考え合わせての事になるので、早期の決断は難しそうです。