デジタル化した美術設定がまだあるので紹介します
●ダム改造要塞
干上がったダム湖の湖底を滑走路にしたダム改造基地という設定です
舞台となるミャンマーは水が豊かな国土で、現在かの国は大規模な洪水に見舞われ
ています。しかしこの世界のタイ国は異常気象によって干上がった場所が多くあり
このステージもそのような背景で作られています。
プレイヤーはダムの下流からダムに接近してゲートを突破し、滑走路上で敵と交戦
したあとミサイルの発射を阻止するというシナリオになっています。
中央の岩山の中にミサイルが隠されており終盤に出てきて発射体制に入ります。
発射場はロケットのブラストが斜めのスロープで拡散するようにデザインしてありますが
ポリゴンの関連で不具合が出て解決に苦慮したテクモは巨大な四角ブロックを置いて
解決してしまいました。
周辺には航空機を格納する バンカーがありプレイヤーがそこに隠れたりできるように
考えました、が、実際のところ敵は探知していて躊躇無く砲撃してくるようになってしまい
ダメージも貫通して受けたので、ほとんどメリットのない設定になってしまったといえます。
このステージは敵AWGSが多数出現して難易度の高いステージですが、最初の頃は
それほどのものではなくデバックをくりかえして再三に渡ってAWGS配置の変更が行わ
れました。
●航空機用バンカー
ジェット戦闘機を爆撃から守るための耐爆壕は実際にもあり、それを沢山置けば
戦闘が面白くなるという私の提案によりできた設定です。
上述のように実際には隠れるメリットがなくなってしまい形だけの設定になったのは
残念なことです。
●戦略ミサイル
標的として登場するオブジェクトでソ連のICBMが元になっています。
実際のミサイル発射は地上で行われ、ミサイル本体は圧縮ガスで発射筒から射出
された直後にロケットモーターに点火します。
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このゲームの根本的問題は敵側のAIが貧弱で動きが単調であり、それを補うために
敵の攻撃力や防御力の数値を上げて対処していた所です。また地上の造形が上手く
行かず無数のポケットが存在して、その検出に膨大な労力を費やした点もあります。
それ故地形を使った巧妙な防御は実戦では必須であるのに、ゲーム上では生かしに
くくなっていたようです。
●カバー案
おまけです。
これはカバーイラストのために考えられたラフ案ですが、私がカラーイラスト
にかかる時間を捻出できずカバー製作はテクモ側に一任されました。
私はエンドロールのバックになるイラストを何点か描きましたが、ストーカー達
の咳による攻撃で百日咳という公定伝染病にかかってしまい、非常にレベルの
低いイラストを提供する事となってしまいました。
その点は今でも心残りになっています。