十勝の活性化を考える会

     
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日高山脈

2022-02-03 05:00:00 | 投稿

 

先日、北海道開発局が平成20年に編集した“十勝の川を旅しよう”の本を読んだ。本には、十勝に関する様々なことが分かりやすく書かれており名著のひとつと言えるだろう。

特に興味を持ったのは、日高山脈の成り立ちである。日高山脈は北海道の中央南部にある唯一の山脈狩勝峠側の佐幌岳から襟裳岬までを南北に貫いて、長さは南北およそ150 km、最高峰は幌尻岳標高2,053メートルである。

「北海道の背骨」といわれるほど地形が険しく、山脈を横断する道路は、狩勝峠日勝峠および南部の野塚峠である。日勝峠と野塚峠の間に、もうひとつの縦貫道路を作る予定で工事が進められていたが、自然保護と難所が多く工事費が嵩むために途中で断念したらしい。

日高山脈は、氷河の痕跡であるカールが見られる日本では数少ない山脈で、登山道はあまり整備されておらず登山するのは容易ではない。趣味が登山であったため日高の山にも登ったが、“北海道の山登りは日高に始まり日高で終わる“といわれるほど手付かずの自然が残る魅力いっぱいの山々といって良いだろう。

環境省は、2年後の2023年をめどに国立公園化に向け作業を進めている。その魅力の第1は、日高山脈の成り立ちによるものだろう。北海道の山の多くが火山なのに対し、日高はヒマラヤ山脈や北アルプスと同じく、およそ1300万年前の造山運動によって生まれた褶曲山脈である。

山ができる原因は、大きく分けて2種類。一つ目は噴火、二つ目は地中深くに埋まっている巨大なプレートが衝突した場合である。日高山脈は衝突によって作られた山脈で、ユーラシアプレートに北米プレートが入り込むようにして誕生しており、日高側からの風景よりも十勝側から見た風景が急峻で綺麗なのはそのためである。ヒグマも多く人身事故が起きているので、入山にはくれぐれも注意が必要である。なお、最初の日高山脈は1500万年前ごろ、今の北見山地あたりにあったが、“地殻活動により現在地にでき上がったそうである。

「十勝の活性化を考える会」会員