菅義偉首相は11月10日、新型コロナウイルスの感染拡大防止と景気回復を後押しするため、追加経済対策と令和2年度第3次補正予算案の編成に入った。
菅政権が力を入れるデジタル化の推進や、2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロを加速する政策も盛り込まれた。また、雇用や環境を引き続き下支えするため休業手当を、国が一部補う「雇用調整助成金」の特例措置も延長する方針。
経済対策は、①新型コロナ感染の拡大防止、②ポストコロナに向けた経済構造の転換、③)防災、減災、国土強靭化 を軸に据えている。財源には、新型コロナ対策の予備費の一部を充て、不足分は新規国債発行で賄う予定である。
新型コロナ対策では、国産ワクチンの開発支援や、医療機関でのワクチン無料接種を可能とするための費用を確保。 観光業の下支えは、来年1月末期限の観光支援事業である「Go To トラベル」の延長が柱になりそうである。
IMFの予想によると、今年度の日本の実質GDP成長率が、新型コロナ禍で▲5.8%になるなど、世界経済が不況に陥っている。日本はその打開策として国民に一律10万円を支給したが、単純計算でも12兆円超が必要になっている。
<日本の状況>
①国家予算(一般会計):年間約100兆円(7年連続)
②第3次補正予算:赤字国債が主体
③国債残高:約1,100兆円(令和2年3月末)
④国内総生産(GDP):536兆円(令和元年度)
そこで、日本の借金である国債を一体誰が払うのかという心配がある。個人には、借金を返済できなければ自己破産の申立が出来るが、国は基本的にはできない。
国の財政を立て直すためには収入を増やすか、支出を抑えるしかないので、あまり良い方策が見当たらない。ただ、法政大学の水野和夫教授が、以下のことを主張している。
『2019年3月末現在、企業の内部留保は、463兆円ある。このうち263兆円は、バブル経済以降の1989年以降に積みあがったものである。今回のコロナ禍に際して、“新型コロナ国債”なるものを発行して、この263兆円を減資して企業からお金を吐き出させようということである。企業は社会的な存在であり、今回のようなコロナ禍による非常事態には当然のことである。』と。
日本経済を支えている資本主義というものが問われており、上述した水野和夫教授の考えは、企業の税負担になり議論が分かれるところだが、個人的には大変良いアイデアであると思った。なお、国家予算については、次のとおりです。
<国家予算>
日本の国会で審議されている国家予算は、約100兆円です。国家予算が成立した後に何らかの理由で必要事案が発生し、予算案での執行が難しくなった場合、「補正予算」といって予算を組み替え追加する場合があります。令和2年度については「新型コロナウイルス感染症」に対する緊急経済対策関係費用が、「補正予算」として見込まれました。
日本の国家予算は、一般会計の100兆円程度に加えて、特別会計が200兆円規模です。特別会計は目的ごとの予算で、国がどの事業にどのくらいお金を使ったのかを明確になりやすいという特徴があります。なお、特別会計のほかに「第二の予算」と言われる財政投融資があります。
<財政投融資>
①租税負担に拠ることなく独立採算で行なう事業
②財投債(国債)の発行などにより調達した資金を財源
③政策的な必要性があるものの、民間では対応が困難な長期・固定・低利の資金供給や大規模・超長期プロジェクトの実施を可能とするための投融資活動。 これには、公庫・公団などがあります。
「十勝の活性化を考える会」会長
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます