2021年5月18日付け北海道新聞夕刊(1面)の「今日話題」欄に、大和言葉に関する次の記事が載っていた。
『(前略)大和言葉は、日本の風土を踏まえ、長い年月をかけて祖先たちが創り出したわが国固有の言葉だ。一方、中国語から取り入れたのが漢語。「山地」「河川」など音読みで発音される。「人流」は和製漢語の部類に入るのだろうか。
著者は「うさぎ追いし彼の山・・・」で始まる唱歌「ふるさと」を挙げて、歌詞が心に染み入るのはすべて大和言葉であるからと説く。
漢語は単語全体を一つのまとまりとして認知する。それに対し、大和言葉は、一音一音に祖先のたちの感性が投影されているという。著者の言う通りに歌詞のふるさとを故郷(こきょう)に置き換えてみると、確かに響き方が違う。
なるほどと思いつつ、新聞記事も首相の演説も大和言葉だけで表現するのは難しい。大事なのは、思いがより伝わる言葉を意識して使うことなのだろう。
(石井群也)』
絵文字とか横文字が多く使われる時代であるが、この記事を読んで美しい大和言葉を忘れてはいけないと思った。作家三島由紀夫は、東京都市ヶ谷にある自衛隊駐屯地のバルコニーで辞世の句を読んで割腹自殺したが(享年45歳)、言葉には“言霊”があるという。
言霊とは、古代日本で言葉に宿っていると信じられていた不思議な力で、彼が書いた小説には、言霊が宿っているから美しいのだろう。彼は、約1,000人の東大全共闘の人たちを前にして、人を動かすためにはアジるのではなく自分の言葉で語れと言った。“自分の言葉に酔う”とは、自分の発言などに酔ってうっとりする状態のことをいい、学生運動が激しかった頃、全共闘の人たちが使っていた独特の話し方があったが、言葉に酔っていたかも知れない。
三島由紀夫は、学習院高等科を首席で卒業、推薦で東大法学部に入学し大蔵省に入省している。16歳の時に書いた『花ざかりの森』で作家デビューし、31歳の時に書いた長編小説『金閣寺』は、近代日本文学を代表する傑作の一つで海外での評価も高い。名実ともに日本文学の代表的作家の地位を築いた作品であるが、彼の友人が特攻隊員で死んだからであろうか、三島の作品には常に自殺を意識して書いていたフシが感じられる。
ノーベル賞を受賞した川端康成が、三島氏の葬儀委員長を行なった二年後にガス自殺している。享年72歳であった。三島由紀夫もノーベル文学賞の候補であったが、二人とも“憂国”による自殺であったかもしれない。三島由紀夫の名言に、「人間は何のために生きるのか分からない。だから、生きられるのかもしれない」とあるが、生きる意味が分かったからこそ自殺したのかも知れない。
「十勝の活性化を考える会」会員T
注) 言霊
言霊とは、一般的には日本において言葉に宿ると信じられた霊的な力のこと。言魂とも書く。声に出した言葉が、現実の事象に対して何らかの影響を与えると信じられ、良い言葉を発すると良いことが起こり、不吉な言葉を発すると凶事が起こるとされた。そのため、祝詞を奏上する時には絶対に誤読がないように注意された。
万葉時代に言霊信仰が生まれたのは、中国の文字文化(漢字)に触れるようになり、大和言葉を自覚し、精神的基盤が求められたこととも無縁ではないという指摘がある。
(出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋)
卓を囲んだ友と近くの食堂で "お昼の朝飯" を食べていた時
TVのニュースで三島由紀夫の死を知りました。
いま思えば酷い言葉ですが、「死に際までヒト騒がせなやつだ」と。
「川端康成 享年72歳」に改めて驚きました、私が今その72歳!
よく使われる 白髪でギョロ目の川端の容貌は
如何にも老成した大小説家の印象ですが、
たぶん まだ 60歳前後かと思われます。
較べること自体 笑止!ながら 老成に程遠い自身を思います。
美意識においても思想においても
三島と川端は一脈も二脈も通じる無二の関係であったことでしょう。
ノーベル文学賞に焦がれ 海外!を意識して書いたと思われる三島。
ノーベル賞に左程の思い入れはなく 海外など意識になかった川端。
川端の受賞により三島の受賞は間違いなく遠くなりました。
二人の間に 得体の知れない 形のない何かが生れたように思います。
そこに 三島と川端の死を重ねるつもりはありませんが...。
大和言葉であれ外国語であれ 「言霊」は ある! と私は思います。
前記の私の酷い言葉も含めて 一旦出れば取り消しても消えますまい。
ですから 大切なことは...
思うがまま 軽々に口にしてはならない! と 自戒しています。
自戒しても自戒しても ダダ洩れ!しているのですが...(笑)
三島由紀夫氏の「生き残った者の役割」をいつも考えております。私の高校の友人で「赤崎勇賞」を受賞した方がいます。赤崎勇氏は、ノーベル物理学賞を受賞しています。このことは、ブログ投稿文「天才」で書く予定です。