先日、初めてウポポイ(民族共生象徴空間)にいってきた。日曜日だけに、全道各地からかなりの人が見物にきていた。
だが、アイヌ映画の観客は、私たち4人のほかに2組4人で、貸し切り同然であった。国立アイヌ博物館のウポポイでは採算は考えていないように思えたが、国は借金が多くて首が回らない状況である。
日本の国債残高は千兆円を超えて、大変な状況にあると思われるが、ウポポイの従業員は何も感じていないのだろうか。民間であれば、とっくに施設を閉めているだろう。確かに、アイヌ文化を採算だけで考えて良いというわけではないが、ウポポイの従業員にひとつだけ言っておきたいことがある。それは、アイヌ踊りでもそうであるが、入場料分だけの価値あるものを演じたり、見せてもらいたいことである。
二年前のオープン時にPR役を務める俳優の宇梶剛士さんは「豊かな歴史、受難や苦難の歴史を学び、やさしさやお互いを認め合う心が世界中に広まるといい」と話していた。また、ウポポイには、民放テレビ“情熱大陸”に出ていたアイヌ木彫家“貝沢徹氏”の作品もあったが、この施設によってアイヌ文化が少しでも理解が深まればと思っている。
貝澤徹氏は、アイヌ文化を守り続けるために日高管内平取町二風谷で、木を彫り続けている。二年前の7月にオープンしたウポポイには、アイヌの入れ墨をした女性を描いた木彫作品が展示されていた。その作品が下の写真である。注目してもらいたいのは、放映されたテレビの下部に書かれていたテロップである。
テロップには、「だから僕は僕なりの役割でやっていくし」と書かれている。この作品は白老町役場によれば常設されていないようで、その理由が分からない。ウポポイには、修学旅行生などが行くが、国立博物館であるから常設展示してほしい。
テロップにあるように人間は誰しも役割を持っているので、その役割を粛々と行なっていけば良いのでないかと思っている。人間の役割は一人一人違っているが、その役割を各人が十二分に果たした時、組織や国は無限の力を発揮すると思う。現在、新型コロナ禍で世界中が混乱しているので、そのことが特にいえるのではないかと思っている。
「十勝の活性化を考える会」会員
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