中原中也
汚れちまった悲しみに…
汚れちまった悲しみに
今日も小雪のふりかかる
汚れちまった悲しみに
今日も風さえ吹きすぎる
汚れちまった悲しみは
たとえば狐の革袋
汚れちまった悲しみは
小雪のかかってちぢこまる
汚れちまった悲しみは
なにのぞむなくねがうなく
汚れちまった悲しみは
倦怠のうちに死を夢む
汚れちまった悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れちまった悲しみに
なすところなく日はくれる…
中原中也 (なかはら ちゅうや)山口県に生まれる。
1907年(明治40年)4月29日~1937年(昭和12年)10月22日
日本の詩人、歌人、翻訳家。
代々開業医である 名家長男として生まれ、跡取りとして医者になることを期待され、
小学校時代は学業成績もよく神童とも呼ばれた。
8歳の時、弟が風邪により病死したことで文学に目覚めた。
中也は30歳の若さで死去したが、生涯で350篇以上の詩を残した。
作者の人生に対する倦怠感が、如実に表現されている…おのれの思いを訴え
そして自分自身を厳しく攻めていくように思う。
「十勝の活性化を考える会」会員C
写真:「十勝の活性化を考える会」会員 S
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