「シャクシャインの戦い」(西暦1669年)は、北海道で起こったアイヌ民族と松前藩との戦いで、北海道史上では一番大きな戦いです。その起因するところは、和人商人及び松前藩の一方的な交易の進め方にあり、その戦いは、松前藩による武力の動員により終了しました。従って、その後のアイヌ民族に対する幕府の政治的且つ経済的な影響力増大につながっています。
しかし「シャクシャインの戦い」が、道産子あるいは日本の社会で歴史に関する知識として、どれだけ情報共有されているのかということです。これには、二つの重要な意味があります。
ひとつは、アイヌ文化やアイヌ史に関する研究を本格的に進めている人は僅かであって、「シャクシャインの戦い」についても研究の余地が大きいということです。もうひとつは、「このような戦いがあった」ということが、道産子や日本の人々に、どれだけ情報共有されているのかということです。
日本史における1600年に起こった「関ヶ原の戦い」などと比べて認知度が低く、このような状況が、これまでのアイヌ民族の歴史とアイヌに対する社会的認識にも影響しているのではないかと思います。そして、「シャクシャインの戦い」が、道産子や日本の社会で知られていないことが、北海道の文化に関わる様々な問題にもなっています。
その意味では、文化には伝統をきちんと伝えていくべき要素と同時に、絶えず革新されていくべき面があるとすれば、「シャクシャインの戦い」がどのようなところで道産子の共通認識となり得ているかは、北海道の文化に関わる大きな要素だと思います。以上
「十勝の活性化を考える会」会員より
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