国立人口問題研究所の統計では、今後の20年間で約2割の人口減少が予想され、2059年(36年後)には、1億人割れが予想されている。十勝でも、2045年に7万人減少して約27万人の人口が見込まれているので、各企業の売上減少も必至であろう。
大手企業シャープ㈱の外国企業への身売りを考えると、大手企業も大変であることは言うまでもない。ましてや、中小・零細企業は政府からの賃上げ要請もあり、従わざるを得ない企業も多いのが実情だろう。 政府の方針を受けて、賃金4割アップの上場企業もあったが、それをできるのは一部の企業であろう。
しかし、日本の99.7%を占めているといわれる中小企業が賃上げしなければ、ますます世界から遅れをとっていく日本だろう。それでは、何をすべきだろうか?
私は、中小企業同友会が進める“SWOT分析”が、経営改善にとって有効だと思っている。SWOT分析とは、経営戦略等を検討するための分析手法で、自社などの内部環境と外部環境におけるプラス面(強み、機会)とマイナス面(弱み、脅威)から分析し、強みを活用し、弱みを克服する戦術や対策を検討するものである。
SWOT分析の活用としては、計画の策定が考えられる。将来にわたる問題を捉えて、それに基づく戦略を立てて具体策を作るのである。これを考えるにあたっては、次の項目を押さえておく必要がある。
・国内外の社会、経済動向
・市場や業界動向(需要と供給)、法律や規制
・ユーザーニーズ(嗜好)
・環境の変化 (例えば、東京圏一極集中の解消など)
・環境変化に対する他地域、他国の動きなど (COP21)
以上で分かるように、全ての項目がお互いに関連していることで、これを踏まえて具体策を策定していこう。SWOT分析は、十勝の活性化を考えるうえでもヒントになるので、以下のとおり考えてみた。
<強み>
・主要産業である農、畜産業の競争力
・国内食料自給率薬40%弱に対し十勝は1,000%超
・「十勝ブランド」の確立、乳製品(チーズ・バターなど)や豚丼等の知名度
・豊かな自然
・豊富な温泉
・開拓者精神
<弱み>
・農畜産業分野での後継者不足、離農が多いこと
・人手不足の深刻化
・若者を引き付ける産業が少ないこと
・JRやバス等の公共交通網が不十分
・冬期期間が長い
・農薬などによる土壌汚染
<機会>(追い風)
・農畜業が見直されていること
・外国人観光客の増加
・連続テレビ小説“なつぞら”の舞台などにより、な観光客が絶えないこと
・東京一極集中の是正
・リモートワークの進展で十勝への移住者が多い
<脅威>
・道内の札幌圏への一極集中
・円安による飼料・肥料の値上がり
・TPP11
独断の思いつきで羅列してみたが、大切なことは将来に向けて社員一人ひとりが知恵を出し合い、具体的な手段を検討し実行に移すこと、すなわち、plan・do・check・actionを限りなく実行していくことである。
「十勝の活性化を考える会」会員
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