トーネードの無職生活

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「謀略」という本を読み終える

2016-09-02 11:17:17 | 日記
 「謀略」という上下巻あわせて1000頁を超える本を読み終えました。第二次世界大戦でのイギリスの対ドイツへの情報工作を中心に書かれたものです。

 さすがイギリスですね。情報工作については当時でも世界一ですね。現在ではアメリカのCIAが資金も豊富でしょうし、何かと目立ちますが、当時ではアメリカはイギリスの足元にも及ばない感じです。それほどまでにイギリスの情報工作は徹底しているし、見破られることが考えられないほど検討されて実施されていたことが良く理解できました。

 その当時の日本はといえば、イギリスにはるかに及ばないアメリカに日米交渉でも外務省の暗号は解読され、日本海軍の暗号も解読されて山本五十六の戦死につながりました。日本がアメリカに対して情報工作をといっても日本人は黄色人種で白人ではありませんから、その点での不利は確かにありますが。

 しかし、それ以上に情報に対する感度というのが国家として低いというかほとんどない感じがします。丹念に情報を集めて判断し、それをもとに政策や作戦を遂行するというよりも、精神力が強調されて積極的な意見しかかえりみられない雰囲気です。

 以前、日本の情報部門について書かれた本を読んだのですが、人員的にも少ないですし、アメリカの暗号を解読できていたわけでもありませんでしたが、丹念に情報を集めて分析してかなり正確な情報をアウトプットしていたようです。ただ、政府なり軍部がその情報を的確に利用したり作戦に反映で来たかというと、それができなかったというのが実態でした。

 戦争序盤の勝っていた時は問題はなかったものの、アメリカ軍の攻勢を受ける受け身の態勢になってしまうと、対応しようにも国力の差でとても対応できないということもあったわけで、情報を生かすことができなかった面もあったとは思います。現在の日本がどのように情報を取り扱っているのかうかがい知ることはできないのですが、きっと一流の情報機関をもつ国と比べたらお粗末なんだろうなと想像してしまいます。

 それにしても、イギリス人というのは粘り強いですな。最近のEU離脱の話には驚きましたが、きっとEUとの交渉が始まったらねちっこい交渉をするのだろうなと感じているところです。