トーネードの無職生活

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ドイツ国鉄の記事を読んで

2016-09-09 07:02:14 | 日記
 今月発売の歴史群像に第二次世界大戦におけるドイツ国鉄の記事があるのですが、目から鱗な内容がいくつかありました。

 まずはドイツ軍がソビエトに攻め込む前にバルカン方面を平定しなければなせなかったために、ソビエトとの開戦が遅れたというのが定説になっていますが、ドイツが占領したポーランドや同盟国となったハンガリーの鉄道網が貧弱で、部隊を輸送するのに時間がかかり、部隊を展開するのに時間的に当初の計画では無理があったとのことです。

 また、独ソ戦の序盤にはドイツ軍が快進撃して大量の捕虜をとったわけですが、ソビエトは重火器などは捨て置いても機関車はドイツ軍に利用されないように優先して脱出させたとのこと。このような視点で書かれたものを読んだのは初めてですが、なるほどと納得してしまいました。

 それから戦争というとつい戦闘機や戦車、戦艦に注目してしまいます。どれも化石燃料で動くので石油に目が行きがちですが、鉄鋼だとか鉄道の機関車そのものも石炭で走るわけで、石炭というのがとても重要だったとのことです。この点は大陸での戦争だったためかなとも思います。

 そしてドイツは夜はイギリス空軍の夜間爆撃を受け、昼間はアメリカ軍の昼間精密爆撃を受けていたわけですが、夜間爆撃は都市を焼くということはできますが、鉄道にはなかなか被害を与えられません。昼間爆撃も鉄道を狙うには目標が小さすぎて精密に爆撃できなかったとのこと。

 そのためノルマンディー上陸作戦が成功して西部戦線で侵攻を始めるまで、ドイツの鉄道網は機能していて兵器の生産や輸送も自由に行えたとのことです。ドイツの鉄道網が本格的に攻撃を受け、汽車が走れないようになると、加速度的にドイツの産業は麻痺していったそうです。

 ということで、鉄道というのが特に大陸では非常に重要だったのだという事を改めて認識したのでした。