2011年3月11日大震災の当夜に奇跡の音楽が奏でられた。
ダニエル・ハーディング指揮、新日本フィルによるマーラー交響曲第5番。
それは第1楽章、葬送行進曲で始まり、深い喪失感が次第に魂に寄り添うような祈りへと昇華される
最終楽章ロンドへ至るまでの70分間の名演奏の記録。
あの第4楽章アダージェットが奏でられると鳥肌が立ってきた。
極限の状況下で不安や恐れを乗り越えて演奏者個々の精神が慰撫され至高の到達点へと向かう過程が見事にドキュメントされていた。
演奏終了後も帰宅困難な観客と演奏者が同じホールで一夜を過ごしたということだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます