Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

鵺の哭く夜は怖ろしい

2017-02-08 | 生き物

 

春を呼ぶと云われる椿祭りの後、戻り寒波がやって来た。

週末にかけてまとまった降雪が予想される。

雪山への足慣らしも兼ねて木枯らし吹く午後、丘陵公園へ出かけた。

森林公園のリスは、その後3度通ったが、ぱったり姿を消してしまった。

野生動物の撮影は、その習性(行動パターン)を観察することから始まる。

偶然にまかせたような撮影では成果は期待できない。

移り気な私には、どうも向かないようだ(笑)

足腰のトレーニングがてらの丘陵公園で、また偶然が幸いした。

カメラを構える鳥ヤさんたちに声をかけると、

「トラツグミがいる」との返事。

この鳥も秋まで山深い森林で過ごすが、雪に覆われた冬場は里へ降りてくる。

初夏の頃、面河道の愛大小屋で身体を休めると、

とっぷり日が暮れてから「ひぃ~ひょ~」と地の底から這い上がってくるような不気味が声が聴こえる。

繁殖期に♀を呼ぶトラツグミの声らしい。

その不気味な声から伝説の化け物、鵺(ぬえ)の哭き声と云われてきた。

これに夜鷹の「きょきょきょ~」と杜鵑(ほととぎす)の「ぎょきょきょ~」が重なると、

まさに幽界に紛れ込んだような妖しい夜を過ごすことになる(汗)

しかし、こうやって間近で声の主に接すると、丸々肥えた愛嬌者である。

鵺の哭く夜は怖ろしい…は懐かしい角川映画のコピー。

 

その他、同様に冬場に里へ降りてくるシロハラ。

アメリカフウの実を食べに来たアトリの群れにクヌギの幹をつつくメジロ、

里の留鳥では、もっともラブリーなモコモコ和毛のエナガの群れに池のマガモ。

視界の開けた冬場は野鳥観察の好機。

でも撮影チャンスに恵まれるかは、その時の運?

 


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3 コメント

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思い出した・・・ (鬼城)
2017-02-09 07:24:52
野鳥の会にも入られていたんですね。
写真は、美事・・・
動くものを捉えるのは至難の業。桜の中に来ている目白くらいはピンボケで撮ることが出来ます(汗)
トラツグミ、名前の通りですね。
自然を愛するランスケさんの切り取りは素晴らしい。
「鵺の哭く夜は怖ろしい」金田一耕助シリーズ「悪霊島」ですね。(笑い)
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山の怪しい夜 (ランスケ)
2017-02-09 10:54:59
春とは名ばかりの立春過ぎの戻り寒波です。
昨夜の天気予報を見ると、
宇和島方面にも雪を降らせる雲が流れ込んでくる予報なので御用心。

さすが映画愛好家の鬼城さん、角川映画、金田一耕助シリーズ「悪霊島」の即答ですね(笑)
結構、マニアの間では「犬神家の一族」とか再評価の動きがあるようです。

鬼城さんもブナの森に囲まれた愛大小屋で自然の奏でる音を聴いて過ごした思い出があることでしょう。
森の新緑が始まる5月下旬頃は、早朝から野鳥たちの囀る声がシンフォニーのように重なってきます。
それは清々しい目覚めです。
その代わり、夜は不気味な鵺や夜鷹の声が響く怪しい世界。
これも山の楽しみです。
そう云えば、山と渓谷社の「山怪」がよく読まれているようです。

http://www.yamakei.co.jp/products/2815320040.html
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理が通用しない? (ランスケ)
2017-02-10 12:03:18
もちろんここでいう「鵺」は、今の日本や世界を覆う薄気味の悪さに対するメタファー(暗喩)です。
もう普通に理を説くことが、通用しなくなってしまいました。
今日の内田樹のツィートは冴えている。

内田樹
✔ ‎@levinassien
内閣が総辞職しなければならないようなでたらめが毎日続いていますけれど、テレビも新聞も平時モード。
日本の「エリート」たちには、まったく危機感が感じられません。
「危険なこと、不条理なこと、無意味なことに遭遇してもアラートが鳴らない体質」な人ばかりが出世する仕組みの「成果」です。
日本の学校教育の最大の害悪は「意味のないことにいくらでも耐えられる子ども」を最上位に格付けして、
「こんなことばかりしていると生きる力が衰えてくる」という警報が鳴って、
身体が「無意味」を拒否する子どもを暴力的に抑圧してきたことです。
どこで講演しても「今の日本はバカしか出世できない仕組みですから」というと拍手がわきます。
それがあらゆる業種における勤労者の実感なんでしょう。
でも、こんな乱暴な言葉に拍手がわくというのは10年前ならありえなかったことです。
ほんとうに日本の全システムが危険水域に入っていると感じます。
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