午前三時に目覚めた。
仄かな薄明りが天幕越しに闇の表層から滲むように淡く射していた。
昨夜は日没後、深い霧が降りて、一寸先も定かでない漆黒の闇が山上を覆った。
秋も深まったこの時期、日の出の時刻は六時半と遅い。
まだ夜と朝のあわい、夜の底から曙光の気配を感じるには早過ぎる。
訝しく思い、天幕のジッパーをおろし、光の在り処(ありか)を求めた。
東の山の端に三日月が、ぽかり浮いていた。
南の樅の木立のシルエットから銀色の河が立ち上がり、天頂へ大きく弧を描いて延び上がり、北の山際へ落ちゆく。
ルビー、サファイア、ラピスラズリに金剛石、天空に散りばめられた綺羅星の瞬きに
ほーっ凍てる闇に白い吐息を洩らし見惚れていた。
あまり星空が美しいので、テントを抜け出し星降る山上を散歩した。
樅の木立を抜けると、視界が開けた。
一面の雲の海が広がり、遠く石鎚の嶺が島嶼のように浮かぶ。
水平線のように高い潮位が石鎚を残して、他の山々を雲の底に沈め一本の線で天と地を二分する。
天に降り注ぐ綺羅星の宇宙の息吹、そして地は一面の乳色の海。
夜陰の笹原を歩く道が、そのまま地の果てで宇宙(そら)へと誘われ、銀色の河を渡ってゆけそうな浮遊感が身中に満ちてくる。
満天の星と一面の雲の海に二分された暁闇、魂の乖離してゆくそれは夢の浮橋か?
回復より下り坂にdramaが見られる
風や湿度、気温が下がるだけでは駄目な事は今までの経験で承知している
フィルム時代にどれだけの時間と体力を費やした事か・・・・
家族や友人の理解と協力が無ければ到底続かなかった
今は我慢の時、目の前の心が動いたものだけにシャッターを押そうと思う
さて、週末のtryは如何なものか・・・・
コーヒーを単車のヘルメットに入れておきました。
今回の写真ですがなぜ一枚だけにしなかったのですか。最初の一枚で最後まで説明できると思います。
全部を見せるより残りは想像できるようにしておく方が楽しいですね。
ジャン・ピエール・ジュネの「ロング・エンゲージメント」を観ていました。
これは「アメリ」の大ヒットの後に撮ったハリウッド資本の第一次世界大戦を舞台にしたラブストーリーです。
アメリのヒロイン、オドレイ・トトゥが切ないくらい健気で美しい。
J・P・ジュネの唸るような映像の魔術に惹き込まれた2時間余でした。
さて今回、星空が通常のサイズでは霞んでしまうので少し画像を大きくしました。
これでもオリジナルの雲海の上の満天の星空は再現されていません。
雲海によって下界から隔てられた山上の星空は、より宇宙を間近に感じる別世界です。
これに次回は銀世界を被せてみたい。
misaさん、週半ばには期待大ですね。
あれこれ思案しながら好きなモノを撮っている時が一番楽しい時間です。
私もお遍路や震災後、撮るべき対象を見失った時期がありました。
今は前回も書いた通り、残りの時間を考えて撮影対象の優先順位を考えています。
一年4シーズン、あと10回撮れるか?ですね。
ありがとうございました。
う~ん、三浦さんの仰ることも理解できますが、私のスタイルではありません。
よく写真サイトにあるのが一枚の写真を見せて一切余分な説明をしないという方法です。
一枚の写真がすべてを語るという旧来の見せ方です。
以前、高知の写真家、高橋宣之さんと話したとき、
「一枚の優れた写真を撮るアマチュアは地方にも沢山いる。でも複数の写真で物語を語れる人は、ほとんどいない。」という言葉が強く印象に残っています。
私は写真と共に言葉による風景の描写を大事にしています。
私が風景と対峙する時、それはドラマチックな大きな風景から草叢の一滴の生命の輝きまで、
自然の中で繰り広げられる物語は多様で、とても一枚の写真では語りきれません。
私は複数の写真と文章によって風景を表現します。
これが私のスタイルだと思っています。
一枚の優れた写真にすべてを賭けるというスタイルを決して否定するわけではありません。
ただ森や生命の循環そして霊的な現象の宿る原初的な世界を描くには物語を必要とします。
それを一枚で表現する力は私にはありません。
Kさんからの電話で、土小屋ライブカメラの映像を確認しました。
恋いこがれていますが、やはりここに泊まる者だけに許されるのですね。
これを見ると、昔のテントを取り出して行かなければ見ること能わずか。
先日コンパスに行ったんですが・・・欲しいものがいっぱい。
でも、高くて手が届きませんね。(涙)
これからは、海に帰りますし・・・
今朝の土小屋ライブカメラを見ると、真っ白です。
予定していた瓶ヶ森は諦めました。
(おそらくスカイラインの道路規制が出るでしょう)
面河より石鎚へ入山します。
貴公子さん、やっと笹ヶ峰山行をアップしましたね。
あの南尾根ルートは人気コースですね。
私も大好きな下山路。
あのルートは寒風山登山口と林道下山口に2台車をデポして笹ヶ峰縦走するか、
林道奥のちち山方面登山口から笹ヶ峰周回ルートを辿るのがベストだと思います。
これに懲りないで是非もう一度。
さぁ初冠雪の石鎚へ。
行ってきます。