Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

天頂に日暈

2017-01-19 | 風景

 

大雪注意報の出た日曜日、一年ぶりの石鎚山へ。

とんと、お山へ向かわなかった萎えた気力を、再び引き上げてくれたのは盟友、菅さんだった。

日本列島をすっぽり覆った今シーズン最強の寒気団に期待感が高まる。

成就社登山口へ辿り着いても、積雪量は例年の半分以下。

最強寒気団は、どうも四国まで及ばなかったようだ。

山門を潜り、いざ銀世界へ。

大雪注意報が出ているにも係わらず登山者が多い。

しっかり山頂までトレースがつけられているのが有り難い。

なにせ久しぶりの雪山登山である上に、今回は三日分の食糧も荷揚げ。

腰高のラッセルが延々と続くと、山頂到着は、とっぷり日が暮れてしまう。

覚悟の登山も拍子抜けするほど簡単に山頂避難小屋へ到着。

残念ながら、これから二日間は降り続けた雪に山頂避難小屋に閉ざされることに。

火曜の朝、やっと降り続けた雪も止んで低気圧が抜けた。

でも、例によって西日本最高峰には低気圧端っこの雲が纏わりついて、なかなか抜けない。

押し寄せる波濤のような巨大な雲の波が引いたのが10時過ぎ。

朝焼けの荘厳な風景は逃したが、押し寄せる雲の潮位が下がり、

霊峰、天狗岳が雲間から覗かせる瞬間は、いつもわくわくする。

ヤッホー。

降り続けた雪が止んだばかりの世界は、まさに真っ白。

天狗尾根を越えて、墓場尾根を目指す。

今までで一番白い柱状節理の雪景色だ。

このまま帰るわけには行かない。

もう一日、山頂滞在を延長して、夕映え色と月明りの天狗岳を。

二夜続いた美味しい鍋料理も予定外の三夜目は予備食のラーメンに餅。

そんな貧しい夕餉でも、盛り沢山の三泊四日の雪山だった。

なんと下山時には北壁上に巨大な光の環(リンク)、日暈が掛かっていた。

年始の山は、霊山に相応しい神々しい風景との出会いだった。

そして遅い石鎚初詣のおみくじは、大吉でした(笑)

 

※避難小屋内は、積雪期も活動するヒメネズミの餌場となっているようです。

おそらく登山者や宿泊者の食物の残滓を乏しい冬期の糧としている様子。

雪の中から、ヒョコと顔を出して雪面を駆け、小屋めがけて突進します。

見た目可愛いだけに、油断していると食糧を齧られてしまいます。御用心。

その上、結構人馴れしています…面河山岳博物館、石鎚山系生息動植物資料参照。

 


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3 コメント

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ブラボー! (鬼城)
2017-01-20 07:55:18
日本列島冷蔵庫の寒気団・・・
雪は何故か愛媛県に少なかったようです。
風向きかな?
それにしても1年登られていないのは不思議でした。
さぞかし長かったでしょう。
待った甲斐があったり、霧が晴れ日暈も・・・おまけに大吉!(笑い)
すべてランスケさんを霊峰石鎚は迎えてくれたのだと思います。
墓場尾根、の氷雪、素晴らしい。
完全復活ですね!
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雪山への回帰 (ランスケ)
2017-01-20 09:20:24
鬼城さん、風邪も快癒されたようですね。
ブログを拝見すると、私の里山散歩コースへ立ち寄られた様子。
寒菖蒲、綺麗に咲きましたね。
いつも取り上げて頂いて、ありがとうございます。

今回は山岳写真の朋友、菅さんが声をかけてくれたおかげで、
やっと重い腰を上げることが出来ました。
いざ山へ入ると錆びついていたエンジンも現金なもので、とたんに元気に始動しはじめますね(笑)

お山の神様も、すっかり足が遠退いていた薄情者を暖かく、その懐に迎えてくれた素晴らしい光景でした。
私の信仰心は、森羅万象に宿る神々への畏敬の念です。
身体が元気な内は山へ通い続けろ。と云うことなのでしょうね。
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これが寒さのピークか? (ランスケ)
2017-01-22 20:01:59
厳冬期の石鎚山という場所は、特別の場所、聖なる場所なのだと、改めて実感しました。

日本全国探しても、こういう気象現象が出来(しゅったい)する場所は、まず無いでしょう。
霊峰、天狗岳と湧き上がり流れる雲と昇る朝日が醸し出す稀有の気象現象。
それも一年で最も厳しい大寒の頃の風景です。

先週と今週が今年の寒さのピークの可能性が高くなりました。
月末は一気に気温が上がり17℃という、とんでもない気温が予想されています。

最後のチャンスを狙って、週明けは再び石鎚へ。
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