Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

石鎚2019秋

2019-10-13 | 風景

 

出発は雨だった。

シトシト粉糠雨の降る朝の登山口だった。

なかなか一泊山行の休みが取れなくて、とにかく紅葉の石鎚へ行ってみようと

masaさんを誘っての日帰り山行。

前回の堂ヶ森で山歩き復活の手応えを感じた。

背負う荷物も軽いので足取りも軽い。

土小屋からの尾根道は、ずっと雨が降ったり止んだり。

10/6のこの時期にしては、全体に紅葉の色づきが遅いというか悪い。

色づく前に褐色に縮れたり散ってしまった樹を多く目にする。

そんな雨模様でも紅葉シーズンの日曜日、登山者の波は途切れない。

下山して来るカメラマンに今朝の状況を聞くと、

やっぱりガスが晴れず真っ白だったようだ。

久しぶりに木下さんとも出会った。

弥山に到着して、ご無沙汰の山の神様にご挨拶。

頂上社御神体に二礼二拍手。

弥山先端には山の主、福島さんの姿も。

しばらくすると空が明るくなり太陽が覗いてきた。

雲が切れて青空が雲間に広がり始めた。

そうなると潮位が下がるように覆っていた雲の位置が低くなり、北東の空が開けてくる。

サーッ潮が引くように雲が流れ、雲間から天狗岳の姿が。

「おーつ」歓声が上がり、カメラのシャッター音が連続する。

同じ写真を撮り続けても面白くないので、天狗尾根から風景を。

岩尾根を回避する巻き道が浸食され、土壌浸食保護のため通行止めになった。

初心者には高度感のある岩尾根伝いのルートは恐怖感を伴う。

矢印や丸印で安全に辿れるルートを指示しているが、

やっぱり皆さん、腰が引けている。

私も初めは、そうだった。

masaさんが声をかけられた女性を途中で先導した。

初めての石鎚なのに岩尾根を伝って見事に天狗岳山頂まで辿り着いた。

それも単独行である。

真っ青な秋空の広がる山頂からの展望。

それまでの雨とガスに閉ざされた行程が嘘のような天候の回復ぶりである。

岩尾根で凍り付いていた彼女は「私晴れ女なの」とあっけらかんと言い放った(笑)

天狗尾根でシャボン玉を飛ばしナナの魂を、この郷土の霊山の空に解き放った。

亡き姪の鎮魂の儀式も、これで区切りがついた。

戻った弥山ではシャボン玉を飛ばす人と偶然出会い、

天狗岳に向かい飛ばしてもらった。

おかげさまで念願の光景が撮れました。

ありがとうございました。

法螺貝を吹く人の下の画像が10/6現在の石鎚山頂の紅葉状況。

最後の画像は西稜で、これも偶然みつけた天狗さんの横顔でした(笑)

下山した土小屋では、前回、堂ヶ森避難小屋で同宿した鉄人サイクリストの女性と再会しました。

なんだか色んな偶然が重なった秋の石鎚山行でした。

 


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2 コメント

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すばらしい! (鬼城)
2019-10-14 08:17:17
鎮魂の登山、一区切り着かれたようですね。
シャボン玉に乗って、ランスケさんに感謝されながら大空を散歩されていますよ。
写真のすごさもさることながら、人との出会いは山であれば結びつきが深いですね。単独行の女性も凄い!
山岳信仰のためか山伏の方、私が行ったときも2の鎖で見かけました。
お泊まりだろうと思います。
週末、最高の紅葉となるでしょう。
トレーニングをしながら少し動かなければなりません。(汗
天狗さんの横顔、久しぶりでした。m(_ _)m
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自然治癒力 (ランスケ)
2019-10-14 23:00:07
山は不思議ですね。
街では見知らぬ他人に、こんなに気楽に声をかけることなんかあり得ないのに、
山では「こんにちは」と挨拶を交わし、困っている人に対して自然に手を差し伸べられます。
大自然の中に身を置くと、人間本来の相互依存しなければ生きてゆけない弱い生物としての本能に目覚めるのでしょうか?

私自身も山から離れていると、疲れが溜まりやすく気力が落ち込みがちでした。
ところが堂ヶ森以来、多少のストレスも平気で受け流せるようになりました。
やっぱり自然治癒力は凄いです(笑)

鬼城さんも再び石鎚に登頂できた達成感を大事にしながら、自然の中で過ごす時間を意識的に作ってください。
それは仕事に追われがちなお互いにですね(笑)
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