皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
帰郷した当時(昭和58年)は札幌には呉服の問屋と小売店は数百軒ありましたが
しみ抜き屋は札幌には数件しかない為に、仕事も多くとても忙しかったと思います。
他店との差別化を図る為に色々と調査してみました。
当店に洗い張りの下請けを出してくれていた取引先も他店にしみ抜きを出していました。
このしみ抜き店は古いしみや手間の掛かる物は返品して汚れや簡単なしみ落としのため
低価格なお店でしたので、私は、修行先で学んだ事を生かしたい事と自分の向上心を持続する為にも
古いしみや手間の掛かる物にも挑戦してどんどん挑戦して行ききちんと結果を残すことを目指しました。
またこの頃他店ではベテランの職人さんがしみ抜き作業に従来ながらのパッキンブラシを使用している方達が
まだ主流でした。
スプレーガン
超音波ガン
下左4本がパッキンブラシ
年配の職人の多くはパッキンブラシを使用していました。
京都の染色補正店や紋屋は超音波ガンが主流になって来ていました。
クリーニング店でもスプレーガンや超音波ガンがしみ抜き作業の主流の道具になってきていました。
昭和40年以降に登場した超音波のガンやスプレーガンはまだ新しい道具ですし使いこなす事に
時間が掛かる為に、当地においての年配の職人は中々使いたがる人はいませんでした。
コストも数百円のパッキンブラシと超音波ガンは8万円位で、スプレーガンは3~4万円位で高額でした。
スプレーガンでは、生地を傷め無い圧力でしみの部分を処理出来ますが
パッキンブラシでのしみ抜き作業は一枚の生地のみの処理しか出来ません。
パッキンブラシで使用出来る水や溶剤は最小限しか使用出来ませんその為に
複数枚ですと薬品ゆすぎ出しの作業が難し事と生地にスレを起こしやすい為に
袷の着物は部分的にほどいて作業している事が主流でした。
解いた職人がしみ抜き作業後に補修縫いをしてあげれば、何も問題はありませんが、
ほどきっぱなしの状態での納品している為にいざ着ようとした時に、バラバラ事件で着られずに
後でクレームになったりする事も多かったと思います。
私の修行先では、しみ抜き作業ではほとんどほどかずに作業をしていました。
一年に数件ほどく事を有りましたが、必ず補修縫いをしてお返ししていました。
私の明治生まれの祖母や昭和一桁の母等は和裁学校に通った事を聞いていますが、
現在はあまり針を持てない方が多く補修縫いは絶対に必要です。
この頃よりクリーニング業界でも、しみ抜きの技術習得の為に各地で盛んに
講習会が開かれていました。
一生懸命努力している業者さんも多かったですが、看板倒れの業者の方もいらしゃったと思います。
クリーニング店にしみ抜きを出すと、「このシミは落ちませんでした、これ以上作業すると生地を痛めます。」
と表示したシールを貼りさらにしみ抜き料金が発生して料金を徴収されます。
しみ抜きを行ってる者ととして、これはとてもおかしな事だと思います。
受付の段階で作業工程と使用する薬剤と作業時間を割り出し取れるか取れないか
しみ抜きの作業を経験している者はおおよその判断が付きますし見積もりもわかるはずです。
クリーニング店では受付と作業者が別の事が多く、しみ抜き作業で無理をして色を薄くしたり
脱色した場合,色掛け(染色補正)作業の技能者不在の為ある一定の作業(漂白や色抜き)以上は
行わない事になっています。
以上の事から当店では
- 受付はしみ抜き作業者が受付を行いしみ抜き作業は抜けない物は最初からお断りしています。
- 作業してみなければわからないものは、必ずテストして見積もりをする。
- 見積もり後作業をしてもしみが抜けない物や修正困難な物は料金をいただかない。
- しみ抜き作業により生じほどいた箇所の補修縫いは必ず行う
- 常に技術の向上に務める
- 技術の出し惜しみをせず全力を尽くす
以上の事を胸に秘め当店でのしみ抜きをはじめました。
着物のお手入れでお困りな場合方は、
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご連絡下さい善処致します。
〒062-0902
札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号
電話011-811-6926 FAX011-811-7126
メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp
ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp
営業時間 平日(月曜~土曜) 午前8時~午後6時
休日 日曜 祝日
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