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カジュアルパンツ(KITH製)クリーニング後のスレ(擦れ・白け・白化現象)退色 色掛け(色修正・染色補正)綿素材

2023年10月04日 | 洋服(他店で直らない品物)

皆様こんにちは

山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。

いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。

クリーニング店からカジュアルパンツ(KITH製)をウエットクリーニングした所

股間部分がスレ(擦れ・白け・白化現象)退色を見つけたので自社工場では直らない為

当店でスレ直し・色掛け(色修正・染色補正)をして欲しいとのご依頼です。

カジュアルパンツ(KITH製)

グレー地のKITH製カジュアルパンツです。

カジュアルパンツ(KITH製)品質表示

素材 表地、ポケット地 綿100%です。

洗濯表示 家庭用洗濯マークに1つのドットマークはおそらく手洗いOKと思われます、

塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止、平干しがよい、底面温度110 ℃を限度として

スチームなしでアイロン仕上げができる、丸印は業務用洗濯ができると思われます。

カジュアルパンツ(KITH製)スレ(擦れ・白け・白化現象)退色

カジュアルパンツのクリーニング前の状態は分りませんが、クリーニング店で

ウエットクリーニング(水洗い)後に仕上げ(プレス)をした所、股間の部分が

白く退色していたので、この状態で納品するとクレームになるので、クリーニング業者に

納品する前にスレ(擦れ・白け・白化現象)を元の状態に戻して欲しいとのご依頼でした。

カジュアルパンツ(KITH製)股間部分 スレ(擦れ・白け・白化現象)退色

改めてじっくりと見ると、股間部分に何かが付いてお客様がおしぼり等でふき取ったか、

自己処理のしみ抜きを行ったと思われます。その事を告知してくれないままに、

クリーニングに出されて検品が不十分で気付かないままでウエットクリーニングを行い、

仕上がった所、スレ(擦れ・白け・白化現象)を見つけたと思われます。

カジュアルパンツ(KITH製)ポケット部分 退色 

このまま色掛け(色修正・染色補正)で補正して欲しいとのご依頼でしたが、汚れ落ちや

仕上りの状態やしみやスレの状態に違和感を感じ、この状態で色掛け(色修正・染色補正)

を行っても良い仕上がりに成らない事を経験的に認識しているので、ご依頼主のクリーニング業者に

当店での水洗い(ウエットクリーニング)を行う事をお伝えして、ご納得をいただいて

当店の資材を使用してウエットクリーニングを行いました。

カジュアルパンツ(KITH製)当店にてウエットクリーニング(水洗い)後

当店にて再度のウエットクリーニング(水洗い)を行いました。

カジュアルパンツの染色が非常に弱いので、機械を動かさないで、漬け込みと手洗い状態での

ウエットクリーニングを行った所、くすみや汚れも落ちて非常に綺麗になりました。

これで色掛け(色修正・染色補正)も行い易いと自身の違和感も無くなりました。

ウエットクリーニングに使用している洗剤の差を感じる事が出来ました。

カジュアルパンツ(KITH製)スレ直し後

色掛け前にスレ直し剤で丁寧にスレ直しを行うとスレ(擦れ・白け・白化現象)が

70~80%位直りました。

カジュアルパンツ(KITH製)色掛け(色修正・染色補正)後

引きつずいて色掛け(色修正・染色補正)で補正すると違和感なく綺麗に仕上がりました。

 

改めて今回のカジュアルパンツの状態を考えて見ると、染色工程が非常に低温て染めて

いるか、短時間で染めた事や定着工程を省いているのか、もしくは顔料染なのか

非常に耐洗濯性の弱い品物でした。ポケット部分の輪じみはお酒か何かのしみが付いて

地色が浮いた状態だった所に、ウエットクリーニング(水洗い)で脱色したと考えられます。

この様なスレ(擦れ・白け・白化現象)を起こして脱色状態でクリーニング済みと納品すると

クリーニングに出した所、白くなって納品されたとクリーニング業者のクレームになります。

点検ミスをしたクリーニング業者が悪い事になり、スレ(擦れ・白け・白化現象)・退色を

直す方法を知らないクリーニング業者は泣く泣く弁償となってしまいます。

現在のクリーニング業者は人手不足を補う為に機械化を推し進めてコスパを考えて低料金で

クリーニング作業を行っている現状ですが、もっと人手を掛けて検品するとはなりませんので

クレームに怯えながらメンタルをやられて離職していくと、ますます人手不足に陥る事になります。

ネットで見つけたクリーニング資材メーカーさんのHPでトピックスの中で

「しみ抜き&色かけ技術で離客を防ぐ」との記事を見つけました。

クリーニング業も技術がなければ生きのびる事が出来ない状況になってきました。

しっかりとシミ抜き、色かけ技術をマスターしてお客様に喜んで頂ける様にしていきましょう。

まさにその通りだと思います。

私自身も修行に行く前に明治45年生まれの大先輩のしみ抜き職人から「しみ抜き作業の最後は

色掛け(地直し)だから、色掛け(地直し)をしっかりと学んで来て下さい」とのお言葉を

頂きました。もう43年以上前ですが今でも大切しています。

お客様からクリーニングの依頼を受けて、検品して作業工程をイメージして、綺麗に洗い上がった

品物から残っているしみを落と作業を行い、しみを落し作業で使用した薬剤を中和と濯ぎ出して

生地の経時変化を起こ無い事と生地に過度な力を掛けずに目開きやスレ(擦れ・白け・白化現象)を

起こすようなダメージを与えずにしみ抜き処理行い、脱色・変色した場合は色掛け(色修正・染色

補正)で脱色や変色した部分を出来るだけ元の状態に補正していきます。

最後に仕上げ(プレス)を行い、仕立て上がった状態に近づけて行きます。

納品時には、謙虚な心自身を持ってで納品すればクレームも激減して無駄なクレーム処理で失う

貴重な時間や人的損失とコストを無くして行く事がこれからのクリーニング業界の未来を開く為に

なる事を心より願っています。

 
着物と洋服のお手入れは

厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる

山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。

〒062-0902

札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号

電話011-811-6926 FAX011-811-7126

営業時間 9:00~18:00

休日 日曜・祝日

メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp

ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp

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