皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
これは、かなり前の話ですが、両親がまだあるお店の下請けで湯通しをしていた時の話ですが、
当時この店は呉服問屋や呉服小売店より湯通しを受注していて、高額の商品や難しい物は当店に湯通しを外注し、
簡単な物は自店にて湯通しの加工を行っていました。
ある時に呉服問屋より、湯通しのクレームが入ったそうで、仕立て屋さんが仕立て中に大島紬の小じわに気付き
問屋さんに知らせて問屋さんは湯通し済みの大島紬を再検品した所、大量の湯通し加工済みの大島紬の小じわを発見してたそうです。
クレームになった大島紬は当店の湯通し加工した物ではなく自店で湯通し加工した物ばかりでした。
数十枚近い大島の弁償額となれば数千万になる為に真っ青になって両親に相談に来ました。
まず一反の大島紬を当店にて再湯通しをして小じわを伸ばして納品して呉服問屋さんに検品してもらいました。
綺麗に小じわが伸びた為に弁償はまぬがれたそうです。
その後クレーム品の大島紬を当店にてまず仕立てる前の大島紬は再湯通しをして納品、
仕立て上がりの大島紬は、すべて解いて洗い張りをして納品後再仕立て直して事無きを得たとの事でした。
この時の仕立て代金も数十万かかったと思いますが、数千万の弁償に比べれば、数十万の仕立て代は100分の1
なので経営者としては大助かりですね。これ以後この取引先の湯通しはすべて当店に来る様になりました。
当店とこの店の湯通しのどこが違ったかは乾燥方法でした。
この取引先のこの店は湯通し後にだら掛けの乾燥をしていました。
織り物の大島紬は水に通すと縮みやすく特に耳が釣りやすくなり、また小じわも残りやすくなります。
当店は引張ての乾燥しています。
引張て乾燥すると乾燥時に小じわも伸び生地の耳もきれいに伸びます。
しかしきもの一反が三丈12mの長さがあります
また最近の反物は平均身長の伸びにより13.5mの長さがあります。
土地が広く15m以上ある乾燥室があれば、問題はありませんが
昨今都会で土地が高く長い乾燥室を持つ事は非常に困難です。
昔は乾燥は天日干しで行っていたため、紺屋の仕事は天候に左右され
仕上がりが遅れがちで雨が降ると作業が出来ず、仕上がりが遅れがちで、
催促されるといつも「あさって」と言い抜けるばかりで、当てにならないこと。
約束の期日が当てにならないことのたとえ。
紺屋(こうや)の明後日(あさって)と言うことわざもあります。
一反12m~13、5m半分にしても6m又は6,75mになりますので乾燥室の長さが
7、5m以上無いと引張ての乾燥は非常難しくなります、またアンサンブルや疋物は
この倍ありますのでスペースの関係上だらがけをせざるを得なくなります。
引張ての乾燥
ダラ掛け乾燥
当店も建て替えの時に最初に確保したスペースは乾燥室でした。
当店でも反物の長尺化に乾燥室が少し長さが足りなく非常にやりずらくなっています。
またある時に当店の取引先の仕立て屋さんに集荷に行き湯通し済みの韓国産の大島紬の
耳つりの相談を受けました。この大島紬の耳が吊っていて仕立てがしずらいとの事でした。
札を見ると先程の湯通しの手直しを頼まれた取引先の加工済みの商品でした。
仕立て屋さんは「三ツ屋染舗の湯通しを知る前ならそのまま仕立てるがお宅の湯通しを知ってからは
このままでは仕立てが上手くいかない為再湯通ししてください、加工代金は自腹で払います。」
と頼まれました。嬉しいお褒めの言葉でした。
もう一件は家内の修行先の仕立て屋さんが湯通し済みの商品を全て検品していたそうですが、
当店にて湯通し加工を行っている事を知り以後湯通し済みの物は検品しなくなった事を
下請けをしていた別の取引先より聞きました。この仕立て屋さんは家内より聞いていますが、
物凄い腕の立つ仕立て屋さんで、湯のし(テンター)機を持ち曲がった地の目を自分で直していました。
この仕立て屋さんは一級和裁技能士で業界では、かなり高名な方です。
プロ中のプロに当店の湯通しを認めて頂いた事を誇りに感じております。
きものはどんなに高価な物でも、きちんと良い湯通し(十分な糊抜きと風合いの向上と地の目を通す事)
をしないと良い仕立ては出来ません。
また着る人のジャストサイズの採寸と仕立て屋さんの最高の技能がなければ、
着心地の良い着やすい良いきものになりません。
これからも仕立て屋さんとの二人三脚がこれからも続いていきます。
当店の加工代金(平成25年9月5日現在)
紬他反物(三丈物)長さ13.5m位まで 2.000円+消費税
紬他反物(四丈物)長さ18.5m位まで 3.000円+消費税
紬他反物(AS及び疋物)長さ24m位 4.000円+消費税
紬他反物(三丈物)長さ13.5m位まで 3.000円+消費税
紬他反物(AS及び疋物)長さ24m位 6.000円+消費税
地方発送の場合は加工代金10.000円+消費税以上の場合は送料は無料です。
それ以外は、送料が掛かります。
仕上がり加工商品はヤマト運輸にてお送りします。
*注意 ヤマト運輸にてコレクト便(着払い)現金のみとなります。
紬の湯通しお困りな方は、
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
〒062-0902
札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号
電話011-811-6926 FAX011-811-7126
メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp
ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp
営業時間 平日(月曜~土曜) 午前8時~午後6時
休日 日曜 祝日
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