ついに鋼管柱が建った。
避ける事は出来ないと思っていたが愕然(がくぜん)とする。
すでに岸壁の漁船は見えなくなり、出崎ふ頭、赤色灯台が見えなくなる。
鍬ヶ崎の在るところにいつも在った御殿山がすっかり見えなくなるという事である。
灰色の壁でブラインドされて向こう側が見えなくなる。
撮影:和見町 K.古舘さん(2015.10.13)
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避けては通れないところにとうとう来たという事である
このあとコンクリートブロックが積み上げられ完ぺきな壁(かべ)が出来上がる計画だ
ところどころに窓を空け「ほら見えるでしょう」という事になる
ほら、漁船も海も見えるだろう?とアクリル製の窓が言う
(そんな狭い窓から、海面は見えない、御殿山のてっぺんは見えない、空は見えない、と答える…)
そんなものでバカにはされない!ときっぱり答える
海が見えなくなるという事はそういう事ではないのだ、バガが
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避けて通れないところに来た
鍬ヶ崎の人はこれで事態の深刻さに気がつくだろう
鍬ヶ崎が壊れる…と
中里の人も佐原の人も、日の出町の人も鍬ヶ崎が大変だと思う
鍬ヶ崎を知る宮古の人は「防潮堤は鍬ヶ崎にはいらないのに…」と初めてのように声に出して言う
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避けて通れないところに来た
その方がよかった
ここから、みんな、聞く耳を持ち、みんな、話す口をもつだろう
どんなになっても、どんなに時間がかかっても、工事を中断させ、ストップさせる
白紙に戻して地元市民の賛・否、修正の合意を形成しなければならないから…
県庁の独りよがりを許すわけにはいかないのだ
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盛岡の役人は津波の事も地域の事も、何も知らない
鍬ヶ崎の庭先きに来て
なぜこのような勝手な事をするのか?
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達増知事
山本市長
に問い続ける!