ある時期、短歌界を牽引されてこられた岡井隆さんが、先月10日に亡くなられました。享年92歳。超空賞にはじまるあらゆる賞を獲得。内科医師でもあり、二足の草鞋を履いて活躍されていました。お父上(ノリタケカンパニー技術者) がアララギ派の歌人であったため、17歳から作歌。宮中歌会の選者も歴任。未来短歌会発行人。日本藝術院会員。塚本邦雄、寺山修司とともに前衛短歌の三雄の一人でした。新聞歌壇の選者もされていて、知名度も高いと思います。
前衛短歌の3人はとうとう全員亡くなられてしまいました。未来短歌会は、アララギから分派した会。私がアララギにいたころ、岡井氏はすでに未来短歌会。誌上で彼の作品は見ることはありませんでした。
愛知1中から8高、慶大医学部出というエリート。著書多数。文化功労者でもあります。80代で再婚されていたはずで、それを詠まれた歌もあります。でも新聞にもネットにもなぜかそのことは書かれていません。 合掌
以下は代表作
桜なんか勝手に咲けよまだすこし怨念がある昨日の夢に
海こえてかなしき婚をあせりたる権力のやわらかき部分見ゆ
7/14付け日経新聞
庭に毎年咲くホソバテッポウユリ