青嚢集
2025-02-05 | 短歌
「青嚢集」は、かつて所属していた短歌結社の「高嶺」主宰者、亡き二宮冬鳥先生の昭和21年に出された歌集です。35年位前、大阪梅田の古書店で買い求めたと思います。残念ながら「高嶺」は、すでに解散しています。見開きには、清覧(変換できない文字で、金偏に覧) と書いてあります。普通の人は御恵存と書くのですが・・・この辺が一般と違うのです。歌集の文字はすべて旧字体。塚本邦雄と同じです。昭和10年から20年までの作品が収められています。その後先生は幾冊も歌集を出されましたが、この青嚢集が一番好きです。装丁は短歌の師であり、琵琶も弾かれ、画家でもある早川幾忠先生。最強のコンビです。歌集の中の一首。
ゆかた着て琵琶ひき給ふ先生は琵琶に縋るがごとくひきたまふ
平成元年、先生に月見草の種を送りましたら、お礼状が来て、きちんと育てていただき歌も作られました。その年に、歌誌「月見草」を創刊しました。
冬鳥先生の御子息の冬彦氏はお父上と同じく福岡で医師をされています。最近知り合った岐阜県の女医のトップの宮崎先生は、なんと久留米医大で、冬彦氏の同窓生。奇遇で驚きました。



滅びの美と申しましょうか。
二度とこういう本は発行されないと思いまして。