月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

お夕事のはなし

2010年03月07日 20時43分14秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
我が家のお夕事(仏前での夜のおつとめ)は晩ごはんの直前です。

近頃は、子どもの学校や習い事の都合で帰宅時間がまちまちなのですが、
晩ごはんは親子そろっていただくようにしています。
だから、みんながそろうこの時間、
「おなかすいたぁ!」の、その前に
阿弥陀さまにお参りをして今日一日のお礼を申します。

毎回じゃんけんで勝った者がおつとめの導師をします。
今日も一日それぞれにがんばって
こうやって同じ場所に座らせていただいて
阿弥陀さまの方、その一方向へ向きを向けさせていただくことは
なんともありがたいことです。

食卓やこたつでお互いに向かい合っているのもとってもいい時間ですが
時に、思いがぶつかることもありますよね。

でもね、わたしたちには阿弥陀さまという揺るがないよりどころがあるのです。
いろんな思いをひっさげて座るわたしたちを
阿弥陀さまはちゃあんと見ていてくださる。
そうして、知らせてくださる。
わたしのすがたを・・・

ん・・・みんなおなかすいてるのもお見通しかしら・・・

少し早口にお経のおつとめを終えて
「さあ、晩ごはんいただこうー」って、
本堂から庫裏に帰る足取りの早いこと!

今日も一日暮れました。


生死之罪

2010年03月07日 19時48分48秒 | 仏々相念(住職日記)
それほど、この私が・・・

今日も温かいご縁を頂きました。
初めてのご縁を頂く度に思うことがあるのです。

私というものはどれほど罪深いのだろうかと・・・
罪深き故に、
あらゆる方々がご縁となってこの私を仏さまの前に引きずり出して下さいます。

「その手を合わさせて頂きなさいよ」って・・・

動かない背中を押して下さり参らせて頂いたかと思うと頭が自然に下ります。
もしこの縁無くば・・・
恐ろしい自分が見えて仕様がありません。
お陰でこのひと時、手を合わさせて頂きました。

幼子のもみじみたいな手を合わさせてやり、
大きな親の手を重ね合わせる・・・
そんなひと時が、十数年前の我が家にもありました。
嬉しかったなぁ~・・・

私の手の上に、仏さまの手が・・・

ありがとうございます。                         

泣き笑いのはなし

2010年03月07日 00時52分57秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
おばちゃんの家の電気が点いています。
時折、笑い声が聞こえます。

お母さんの姿のない居間で
子どもさんやお孫ちゃんが寄り添いながら
思い出話に、泣いたり笑ったり・・・
また、泣いたり笑ったりされているのでしょうね。

わたしにも経験があるのでわかります。
そうやって、だんだん前にすすんでゆけるのです。

悲しい悲しいお別れだったけど
みんなのまんなかに
仏さまになられたおばちゃんがいらっしゃる。

ずいぶん前のこと・・・
いろいろしんどいことが重なって
つい、おばちゃんに
「おばちゃーん、泣きそうだよー」
と愚痴をこぼしたことがあります。

そしたらおばちゃんは
泣きそうなお顔をされて
「おばちゃんは、いっしょに泣いてあげることしかできんよー」
って言って、わたしの手を取って笑ってくれました。

あの一言は今でも忘れられません。
どんなに心丈夫だったことでしょう・・・

阿弥陀さまのおはたらきとおんなじです。

仏さまのようなおばちゃんは
ほんものの仏さまになられました。

いま、
やっぱり泣き笑いのお顔で
わたしを励ましてくださる・・・

ご家族の泣き笑いのその一時一時に
寄り添ってくださる・・・

ねえ、おばちゃん・・・
わたし、がんばるよ!