老夫婦の退屈な日常 そしてお遍路の事など

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秋の日の散歩

2015年11月10日 | 街並みウォーク
ポプラの街路樹の下を歩き、足元の落ち葉を踏みしめながらぼんやり思い出した。

木の葉はおしなべて散ってしまった‥‥という若い時に読んだ詩を思い出したが、続きが出てこない。作者も知らないが 出だし を検索すれば直ぐ出てきた。

伊藤整さんという人の詩でした。明治~昭和にかけて活躍した文学者。





秋の恋びと(伊藤整)

木の葉はおしなべて散ってしまった。

秋はいたる所に

つめたい異人の瞳を覗かしている。

瓜ざね顔の まつ毛の黒い

もの言わぬ恋びとよ。

お前はかずかずの思いを燃やして

毎日 だまって

私と人知れぬ目を交す約束を忘れはしないが

ああお前はその白い手を

何時になったら私へさしのばすの。

秋はすっかり木の葉を落として

明日にも冬が海を鳴らしてやってくるだろうに

お前はその思いを

何時になったら私に語るだろう。



文学少女でもなかったが、若い時に心打たれた詩は何となく覚えているもんだ!