危険生物図鑑 その3
子供の時に毛虫に刺されことはおぼろげにしか覚えていない。ただその時親がしてくれた処置の方法を思い出すと、どこか懐かしさを感じたりもする。しかし大人になって刺された時のことはははっきりと覚えているし、嫌悪感しか感じない。
もう三十年以上になるが、緑色の変な形をしたケムシに刺されたことがあった。危険生物図鑑で調べてみたところ、ヒロヘリアオイラガの幼虫のようだ。普通の毛虫のように細長くはなく、体長2センチくらいで大人の小指先くらいの大きさの平べったい形をしている。きれいな緑色をしており、背中には青色の線と多数のとげがある。
写真をみるとこの幼虫に間違いない。とにかく刺されたと思った瞬間、激しい痛みがしてみるまに赤くなった。
とたんに子供の時に毛虫に刺されて病院に行ったことを思い出した。あの時は発疹がどんどん大きくなり体中に広がった覚えがある。今度もまたそうなるのかと思いすぐに病院に行ったが、塗り薬一つで簡単に治ってしまった。
意外と簡単に治ったので拍子抜けもしたが、とにかく最初の一撃の痛さに恐怖さえ覚えたのだ。
それにしてもおかしな形の毛虫だ。足が退化して腹部が葉にぴったりとくっいているので、英名slug caterpillar(ナメクジ型のけむし意味)と言われている。こんなケムシ昔からいたのだろうか?その時初めて見た。
我が家の八重桜の葉にはこの毛虫がいるようで、時々地面に落ちている。もちろん見たらすぐに踏みつぶすことにしている。