危険生物図鑑 番外 サワガニ
サワガニは毒を持っていたり、ハサミを振りかざして襲ってきたりはしない。だからこの危険生図鑑には載っていない。今日は番外編としてサワガニのことに触れてみよう。
河原の石の下によくいるので、子どもの頃は石をひっくり返してよくつかまえたものだ。唐揚げにして食べられるそうだがそんなことはしたことがなく、もっぱらつかまえて遊ぶだけだった。だからサワガニと言えば河原にいるものという印象がある。
ところが大人になって庭の草むしりなどをするようになると、その認識が崩れてしまった。庭の少し湿った石の下や草むらの中にもいるので驚いてしまった。
しかし何を食べているのだろう。川辺の小さな魚や苔などを食べているのだと勝手に思い込んでいたものだから、畑の隅で何を食べているのかが想像できなかった。
さて数年前までは私は米も作っていた。種籾を専用の箱に中にまき苗から作っていたのだが、その苗箱の近くでサワガニを見つけることがたびたびあった。何をしているのだろうか。不思議に思ってそっと覗いてみた。
するとどうだろう、サワガニはそろりそろりと苗箱に近づき、種籾を一粒ハサミで挟むとこっそりと逃げていった。しかも例のカニさん歩きである。その可愛いこと可愛いこと!
まるで猿蟹合戦の世界じゃないか!猿のおにぎり取られないように石の下に隠れてお食べ。思わず応援してまった。