蒸し返し
嵐のような前日の雨で、昨日は桜の花も大方散ってしましたね。でも雲ひとつない青空が広がって、見慣れた街並みがきれいに見えました。
そんな天気に誘われて、夫と末娘と三人でお昼を外に食べにいきました。目指すお店はしばらくランチをお休みするとか。そこで近くにあったうなぎ屋さんに行きました。
いつも一緒だった孫娘は慣らし保育の最中です。少しずつ保育時間を増やしていき、今日は3時に迎えに行くのだとか。親子でこんなにゆっくりと食事をするのも、久ぶりのことでした。
でもなんだか手持ち無沙汰でもありました。いつもならそんな時スマホを見ている夫も、さすがにスマホを閉じたままです。それでも日ごろの些細な出来事を話しているうちに、話題は昔のことになりました。
「そういえば昔、社内旅行で海外に行っていたね」
以前夫が行った、会社の社内旅行が話題にのぼりました。社内旅行が海外だなんて。そんな時代もありましたね。たしか夫の会社も4年くらい続けて海外に行きした。
「あの頃は景気が良かったからね」なんて言いながら、最後に行ったタイの話になりました。
「最後に行ったタイでね。係全員下痢して、通常業務ができなくなってね。それで海外での社内旅行が禁止になったんだよ」
「そう言えば、サラダ食べたんだったよね」
「船の上で食事してね、その時サラダが出たんだ。それが野菜を川の水で洗っらしくて、みんなで下痢をしたんだ」
「なんで東南アジア行って、生野菜たべるかなぁ……」
「ちょっとお母さん。三十年以上に前のことを、なんで今さら蒸し返して怒っているの」
そういえばもう三十年以上の前のことなのに、昨日のことのように怒っていました。そんなことがあったことさえも忘れていたのに、どうしたことでしょう。
「失われた三十年だったね」
その日の夕食には夫の好物である茶碗蒸しを一品つけ、うな重をご馳走してくれたお礼を心から言いました。そして「もう二度と昔のことを蒸し返したりしない」と心に決めて休みました。
さて今朝のことです
「円相場一時1ドル=153円台に 約34年ぶりの円安ドル高水準に」とテレビのニュースが伝えておりました。
どうやら三十数年ぶりに蒸し返しがおこったのは、我が家だけではなかったようですね。