草むしりしながら

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古事記 あらすじ3

2019-11-20 07:18:16 | 古事記
古事記あらすじ3

第2章 黄泉国

㈡黄泉国下り                      

 お二人のお生みになった神々やその子孫は、人間になって一生懸命働きました。しかしなんといっても初めての仕事ですから、思うようにうまく行きません。

 男神様はこの様子をご覧になって、自分はまだ神々や人間を治めていく、一番えらい神を生んでなかったのに気づきました。しかし男神様一人では、神を生むこともできません。  

 男神様は女神さまを呼び戻そうと、地の底の死人の住む黄泉の国におりていきました。黄泉平坂の入り口から降りて、暗闇の中を手探りで進んで行くと、おおきな御殿ところに女神さまが立っておいででした。

 男神様は一緒に帰ろうとお誘いになりましたが、女神様はこの国を出ることが出来ないと答えました。しかし男神様の困った顔を見て女神様は、奥に行ってこの国の神々と相談することにしました。

 ただし決して奥には来てはいけません。もし奥に入ると二度とあの世界に戻ることはできません。その上にあちらの国の人間が毎日千人ずつ死ななければなりません。女神様は男神様に強く言い残して奥に行かれました。
 
㈢約束を破った男神様

 しかしいつまでも戻って来ない女神様を心配して、男神様は御殿の奥の方に入って行かれました。御殿の一番奥の部屋には死体になった女神様が横たわっており、その傍には八匹の鬼と黄泉醜女(よもつしこめ)という女の鬼が、恐ろしい顔をして男神様を睨みつけていました。
 
 必死で逃げる男神様を鬼どもが追いかけてきました。男神様は髪飾りを投げると、髪飾りはぶどうになり、鬼どもがぶどうを食べ始めました。またつかまりそうになったので、今度は櫛をお投げになると、櫛は竹藪になりました。鬼どもが竹を食いちぎっている間に男神様は遠くまでお逃げになりました。

 男神様がひと息ついておいでになると、またしても鬼どもが追いかけてきました。男神様は黄泉比良坂まで逃げのびて、傍にあった桃の木の真っ赤に熟れた桃を投つけました。鬼どもは慌ててもと来た穴に逃げ込み、男神様はその入り口を大きな岩で塞いでしまいました。

 

古事記 あらすじ2

2019-11-19 07:16:30 | 古事記
古事記あらすじ2

㈢国生み

 男神様と女神様はこの島におりておいでになり、八尋殿(やひろどの)という御殿を建てました。お二方は立派な国を生み出そうと御殿の真ん中にある天御柱(あめのみはしら)の周りを回りました。
 
 男神様は左から天沼矛を突きながら、女神さまは右から玉の首飾りを揺すりながら、柱を回りました。そしてお二人がお会いになった時、女神さまが先に「美しい国よ、生まれいでよ」と仰せられました。すると柱が二つに割れて、役に立たないものが生まれました。

 お二人はもう一度やり直すことに決め、また柱の周りを回り、今度は男神様が先に「美しい国よ、生まれいでよ」と仰せになり、女神さまは男神様の後から仰せになりました。

 すると柱が二つに割れて、中から小さな島が生まれました。島を海に浮かべると、大きくなって淡路島になりました。お二人は次には四国、隠岐島、九州、壱岐、対馬、佐渡島、本州をお産みになりました。みんなで八つの島々からできているので日本のことを大八島国(おおやしまのくに)というのです

第2章 黄泉国(よもつくに)

㈠女神の死

 お二人はその後小さな島々や海や山、木や水の神様をお生みになりました。そして最後に火の神様をお生みになりましたが、女神さまは大やけどを負って倒れてしまいました。

 男神様は腰の剣を抜いて火の神を切っておしまいになりました。すると火の神から飛び散った血潮は八柱の神々となり、人間の役に立つ火や多くの武勇の神々が生まれました。

 ぐったりとなった女神様は男神様の呼びかけに答えて、よろよろと柱をお周りになりました。柱の中からは金、土、田の水の神がお生まれになり、最後に麦や米を神様である豊宇気毘売神(とようけびめのかみ)がお生まれになりました。
 
 全身の力を出し切った女神さまは男神様にお別れを仰せになられ、くずれるようにそこに倒れてしまいました。男神様はたいそうお嘆きになりました。しかし女神さまの魂は遠い黄泉国へ旅立っておしまいになりました。男神様は仕方なく女神さまの亡骸を比婆山(ひばのやま)という山にお理めになりました

古事記 あらすじ1

2019-11-18 07:29:49 | 古事記
古事記 あらすじ1

第1章 国生み(くにうみ)

㈠神代(かみよ)七代

 世界が出来る前は、雲のようなものがふわりふわりしているだけでした。そのうち天と地に分かれて、やがて空の一番澄み渡った高間原という所に、三つの光が現れました。
 
 それは三人の神様でした。この三柱の神々は一生懸命働いて、世界は前よりもずっと明るくなりました。すると葦のようなものが芽を出して、まっすぐに高天原に向かって伸びてきました。そしてその芽が消えると、美しい男の神様が立っておいででした。
 
 三柱の神がみは若い神に仕事を任せて、自分たちは高天原から若い神の仕事を助けることにしました。若い神は早速仕事を始め、世界は明るくなり、地、草、動物の神などが次々と生まれ、皆で力を合わせて働かれました。  

 おかげで天と地はすっかり別れて、空は青く澄み渡り、涼しい風も吹いてきました。
 
 その頃新たに男神様と女神様がお生まれになりました。高天原の神々は二人の神様に天沼矛(あめのぬぼこ)をお授けになり、次の仕事を任せました。

㈡おのころ島

 神々の仰せを承った伊邪那岐(いざなぎ)、伊邪那美(いざなみ)のふた柱の神々は、天と地をつないでいる天浮橋(あまのうきはし)の上に立って、下界をごらんになりました。雲や霞の立ち込めた下界はほんとうに穏やかで、美しい立派な国ができそうです。

 男神様は持っていた天沼矛を雲の中にさしてごらんになりました。ところがコーロコーロと水をかき回すような音がするだけでした。神々はがっかりされて矛を引き上げました。

 矛の先からは水のしずくがポタリポタリと落ちるばかりでした。雲の下は水ばかりのようです。困った神々が下界をごらんになっていると、矛の先のしずくが落ちている雲の所に、黒いものがポツリと頭を出しています。
 
 水のしずくが落ちる度に、それは大きくなっていきました。神々が不思議に思って見ていると、そよ風が雲を吹きはらいました。大海原の中には、小さな島が浮かんでいました。神々はこの島におのころ島と名付けました。