古事記あらすじ2
㈢国生み
男神様と女神様はこの島におりておいでになり、八尋殿(やひろどの)という御殿を建てました。お二方は立派な国を生み出そうと御殿の真ん中にある天御柱(あめのみはしら)の周りを回りました。
男神様は左から天沼矛を突きながら、女神さまは右から玉の首飾りを揺すりながら、柱を回りました。そしてお二人がお会いになった時、女神さまが先に「美しい国よ、生まれいでよ」と仰せられました。すると柱が二つに割れて、役に立たないものが生まれました。
お二人はもう一度やり直すことに決め、また柱の周りを回り、今度は男神様が先に「美しい国よ、生まれいでよ」と仰せになり、女神さまは男神様の後から仰せになりました。
すると柱が二つに割れて、中から小さな島が生まれました。島を海に浮かべると、大きくなって淡路島になりました。お二人は次には四国、隠岐島、九州、壱岐、対馬、佐渡島、本州をお産みになりました。みんなで八つの島々からできているので日本のことを大八島国(おおやしまのくに)というのです
第2章 黄泉国(よもつくに)
㈠女神の死
お二人はその後小さな島々や海や山、木や水の神様をお生みになりました。そして最後に火の神様をお生みになりましたが、女神さまは大やけどを負って倒れてしまいました。
男神様は腰の剣を抜いて火の神を切っておしまいになりました。すると火の神から飛び散った血潮は八柱の神々となり、人間の役に立つ火や多くの武勇の神々が生まれました。
ぐったりとなった女神様は男神様の呼びかけに答えて、よろよろと柱をお周りになりました。柱の中からは金、土、田の水の神がお生まれになり、最後に麦や米を神様である豊宇気毘売神(とようけびめのかみ)がお生まれになりました。
全身の力を出し切った女神さまは男神様にお別れを仰せになられ、くずれるようにそこに倒れてしまいました。男神様はたいそうお嘆きになりました。しかし女神さまの魂は遠い黄泉国へ旅立っておしまいになりました。男神様は仕方なく女神さまの亡骸を比婆山(ひばのやま)という山にお理めになりました