草むしりしながら

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古事記あらすじ9

2019-11-25 12:51:28 | 古事記
古事記あらすじ9

第四章八俣のおろち

㈤争う八つの頭

 一番目の頭がいい匂いがすると言い出し、他の頭がさじきの上の酒を飲みに行こうとしました。しかし今年姫を食べる番になっている、八番目の頭がそれを止めました。でも他の頭たちは宝剣があるから何度でも生き返られると言い、争いになりました。 

 結局一番目の頭が門に頭を入れて酒を飲み始めると、他の首も門から頭を入れて酒を飲み始ました。酔っぱらった頭たちは、雷のようないびきをかいて眠ってしまいました。

㈥天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)
 
 しかし八番目の頭だけは娘を諦めきれずに、あたりを見回しています。ところが他の首の酔いが八番目の首にも回ってきて、自分も酒を飲んで寝てしまいました。

 そのようすを物陰から見ていた須佐乃男命は、八番目の頭の首を切り落としてしまいました。これは大変。目を覚ました他の首は頭をあげよとしても、門から首を出すこともできません。大きな口を開けて大暴れしています。

 命は姿が見えないので、次々に大きな首を切り落としていきました。さすがの怪物八俣のおろちも、見事に退治されました。そして二度と蘇らないようにと、命は大蛇の体をずたずたにお切りになりました。

 そのとき尾から天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)という立派な剣が出てきました。須佐乃男命は大気津比売神にもらった種をつけて、天照大御神に送りまし。

 この剣は後に倭建命(やまとたけるのみこと)がこの剣で草をないで危ういところを助かったので、草薙剣(くさなぎのつるぎ)と呼ばれ、天皇のみ位(くらい)のみしるしといわれる三種の神器のひとつです。

 須佐乃男命は櫛名田比売を妻にして、出雲の国を天照大御神の代理として治め、大気津比売神からもらった種を人々に分け与えたので、人々は幸せに暮らしました。

古事記あらすじ8

2019-11-25 07:04:26 | 古事記
古事記あらすじ8

第四章 八俣のおろち

㈢ おろち退治の計略

 須佐之男命はお爺さんの話を黙って聞いておいででしたが、今までに大蛇を退治しようとした者はいなのかとお尋ねになりました。  

 八俣のおろちというのは、ひとつの体に八つの頭と尾があり、十六個の目がギラギラ光って、山のように大きくて気を失うほどおそろしい大蛇なので、とても退治できるものではないとお爺さんは身を震わせて言いました。

 人々を苦しめる魔物は必ず退治してやろう、ただし自分の命令の通りに支度をするようにと、命は仰せになりました。半信半疑のお爺さんに、自分は天照大御神の弟の須佐之男命だと、ご身分を明かされました。それを聞いた三人は大喜びでお礼を申しあげました。

 それからすぐにおろち退治の支度にかかりました。これを聞いた一族の人々も集まり、お手伝いをしました。八つの大きなかめに強い酒をつくり、八つのさじきに酒かめを一つずつ置きました。そしてさじきごとに門をつくり、他からは入って来られないよう丈夫な垣根で周りを囲いました。

 ㈣おろち現る

 やっと支度が整った頃、北の山の上に黒雲がかかりました。もうじきおろちがやって来ます。命は櫛名田比売に息を吹きかけ、櫛に変えました。そして御自分の髪にその櫛をさしました。この櫛をさしていれば魔物に見つからないという、魔法の櫛です。

 全ての支度が終わりました。おろちが来ても決して騒くではないぞと、命は仰せられ皆を隠れさせました。そして御自分も物陰に身を潜め、おろちを待ち構えました。やがて生臭い風が吹き始めました。

 黒雲の中から十六の目玉が櫛名田比売を捜して辺りを見回しています。しかし娘の姿どころか匂いもしません。櫛になっている櫛名田比売が見つかるわけはありません。